新・読書日記487(読書日記1827)
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日記
デカルトはその時代の学問をあまり信用せず思索にふけったとされている。具体的な年数は忘れてしまったが5~10年くらいずっと思索し続けたという。そしてようやく自分の思考だけは疑い得ず「われおもうゆえにわれあり」にたどり着いたのだという。デカルトの学説はいまではいろいろ突っ込まれていて学問的根拠は弱まったのかもしれないが、そんなことはどうでもよくて、自分で考えぬく姿勢というものを今一度見習いたいのである。
ということで、自分は最近心理学の「逃走か闘争か」という概念を疑いつつある。逃げるか戦うか。そんな馬鹿なことがあるか、と思ったのがつい最近。学習性無力感という言葉にも疑問が生まれつつあり、心理学くそくらえな毎日を過ごしている。(まあでも認知行動療法にはだいぶお世話になったし、あれに関しては科学的にも哲学的にも素晴らしい治療法だと思って居る)
あの人がこういっているからああだ、と言った言い方、言説。あまりよくないなと。
そんなことを考える日々ではあるが、なんだかんだで読書が好きなので興味のある本を読む土曜日。
・・・
『破壊』
導入部分と第一章のあたりを読み込んだ。フロイトとローレンツには水力学的発想という点で一致している、というあたりまで読んだ。フロイトは「生への欲動、死への欲動」の二分法を提唱。死への欲動が他者へ転じるとサディズムになる。ローレンツの理論は複雑なのでざっくりと表面的なことだけまとめると、攻撃性は何かの刺激に対する反応ではなく、水力学的で、内側から湧き出るものとして想定されている。両方とも「刺激ー行動」ではないという点で攻撃性を説明しているというところが似ているとフロムは語る。
“フロイトと同様にローレンツにとっても人間の攻撃性はつねにあふれ出るエネルギーの泉がつちかう本能であって、必ずしも外部の刺激に対する反作用の結果ではない。” P24-25
帰り道少し考えてみた。「怒り」「自己防衛」がキーワードになる気がしている。
動物は笑わないが攻撃性は人間と同じ。ただ怒りとしての攻撃性なのか、それとも自己防衛としての攻撃性なのか、ここは区別できる。
怒りのみの攻撃、怒りと自己防衛が混じった攻撃、自己防衛としての攻撃、あるいはこの二つを含まないような攻撃、の4パターンで区切ってみる。
最後の4つめの攻撃は命令されたから攻撃する、とかそういう類。
いろいろと仮説を立てながら読んでみようじゃないか。
・・・
『無知について』
“名声は労多く困難なものです。文芸の名声はとくにそうです。だれもが名声をねらって身がまえています。名声を望みえない人たちまでも、名声の所有者からそれを奪いとろうと懸命です。いつもペンを手にしていなければなりません。気をはりつめ、耳をそばだて、いつも戦場にいなければなりません。” P55
人間は面白い。その多面性たるや、他の生物にも負けない。だから本を読みたくなるのかもしれない。
『破壊』と関連する図書と絡めながら、トッピングしながら読んでみよう。
バーリン『自由論』、フロム『自由からの逃走』、ギブソンの生態心理学、スティーブン・ピンカー『暴力の人類史』、アーレント『人間の条件』、リチャード・ランガム『善と悪のパラドックス』etc.
この日記を締めくくろうとしているときに書こうとしていたことを思い出した。
『フォーリングダウン』という映画を最近観た。失業、離婚で全てを失った男がなにもかも破壊する物語だ。
この自殺的な行為は他の動物にはないように自分には思えた。餌を取り逃したからといってやけを起こし、まわりを巻き込んで自分をズタズタにする生物がこの世界に存在するのだろうか。
このあたりも気になるところである。
つづく
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