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読書日記308

斎藤環/福山哲郎『フェイク時代に隠されていることについて』大和出版 (2018)

■株式会社太田出版

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日記

斉藤環/福山哲郎『フェイクの時代に隠されていることについて』のつづきを読む。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/05/03/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98301/

  

相模原殺傷事件や精神医療の問題について掘り下げられる。

日本の精神科病床数は世界一、というのはもはや常識。

これは「ライシャワー事件」をきっかけに、「収容主義」が加速したからだと斉藤氏は述べる。(障害者コロニー政策)

植松氏が100%悪い、というのは短絡的である。

日本は、悲惨な事件を発生させ得る「環境」を作ってしまっていたのである。

収容主義は「排外主義」でもある。

斉藤氏によれば、現代の統合失調症患者は昔と比べ軽症であり、入院させる必要はないという。

しかし、日本の精神科病院は9割が民間で占めているので、安易に廃止はできない。

そこで働いている人の職を奪うことになる。

私は、「ひきこもり」は本質的には問題ないと考える。

香山リカ氏の本を読むと、日本の労働問題について思うところはいろいろある。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/05/03/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98307/

  

ひきこもりが100%悪い訳ではないが、社会が100%悪い訳でもない。

この問題は様々な問題と連結しているようにみえる。

格差問題、承認欲求の問題、SNSの問題、新自由主義の問題、メリトクラシーetc.

しかし私には、いよいよこれらはドーナツのように円環構造を成していて、何かを解決すれば新たな問題が発生する、というように根本的な解決は不可能のようにもみえる。

つづく

公開日2022-04-21

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