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読書日記319

       酒井健『バタイユ入門』ちくま新書(1996年)

■株式会社筑摩書房

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日記

酒井健『バタイユ入門』ちくま新書(1996年)を読む。

個人的な話では、最近読書が一段と楽しくなってきたように思う。

波に乗っている感覚。

文字の上を気持ちよく滑り倒す感覚。

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バタイユは「3B」と呼ばれる、難解な思想家の一人として君臨していた。

(バタイユ、ブランショ、ベケット)

個人的には独創的な思想家と感じていて、哲学というよりかは芸術寄りの思想家だと感じて度々敬遠したきらいがある。





本書によれば、三島由紀夫が西洋の人物で最も魅力を感じたのがバタイユだという。

もしかすれば、バタイユを理解することは三島氏を理解することでもあるかもしれない。

また、三島由紀夫は今年亡くなった石原慎太郎とも仲が良かった。





話はずれるが、芥川賞を受賞した田中慎弥氏が放った石原氏に対する皮肉は印象的だ。

読書をしながら頭のなかで歴史を俯瞰すると、この精神の繋がりに、神秘的なものを感じる。





そして、バタイユを理解することはナショナリズムを理解することでもある。

第二章ではバタイユと政治の関係性について語られる。




かくして本と本は無限につながっていくのであった。




つづく

公開日2022-04-23

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