つづきを読みすすめた。
ここでプラトン (+ソクラテス) とアリストテレスの「正義」の違いがハッキリした。
プラトンは善と正義、悪と不正が「分離不可能」であるとみなしたのに対し、アリストテレスはそもそも同一のものとはみなさなかった。
アリストテレスは帰結主義的に、「行為の結果」に重きを置いた。
すなわち、不正かどうかは結果から判断される。
本書によれば、アリストテレスは正義を「正しいこと」とし、循環論法に陥り、正義の定義付けがなされていないとする。
では結果をどうみていくのか。
その基準は「均衡性」であるという。
秩序は均衡性が保たれている状態であり、アリストテレスの考える正義とは、「目には目を」の論理である。
損害を与えたものにはその損害と同等の罰、そして侵害行為の罰を与える。
かくして統制が可能となり秩序が保たれる。ここに正義というものを見出す。
この考え方はベンサムの功利主義へと引き継がれていく。
しかしながら、適応の範囲が狭いという問題点があった。
[夫ー妻]の対立のように、小さな政治にまでは及ばない欠点がある。
のちのストア派がそれを克服し、正義の概念を拡張していく。
以上まで読み進めた。
つづく
公開日2022-01-23