■株式会社河出書房新社
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日記
つづきを読み終えた。
終わりまで約600ページ。
非常に長い回想録であった。
外国文学に不馴れな私には登場人物の相関図や物語の輪郭を捉えきれることはできなかった。
ただひたすら「文学の力」という一点に絞って著者の精神を吸収することに努めた。
本書を通して、自分は海外について無知であることを再認識した。
また、世界は広すぎるので、あたかも世界についてなんでも知っているかのように語っている思想家はそれに気がついていないのでは、ということにも目を向けることができた。
度々、ピンとくる言葉があったので、それを地道に手帳に書き残した。
それが精一杯であるほどに長い回想録であった。
「西洋文化に毒された金持ちの帝国主義者」
「他人の心を感じとるには自分の心がなくてはならない」
「他者の心が見えないという罪」
「感情移入が小説の本質」
「理想を信じ、虚構の世界をつうじて現実に立ち向かうことが大事」
三権分立のように、文学と政治もそれぞれが独立していなければならないと感じた。
本が燃やされたらまたつくり出せば良い。
心までは奪えないとはよくいったものである。
つづく
公開日2022/6/14