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日記
70ページほど読んだ。
導入部分は少年時代の話からケンブリッジ大学に名誉教授を授与されるまでさらっと語られた。
学生時代にフランスに赴き、慣れない関係に精神的に参っていたことや、ユダヤ人であるデリダの苦しい経験を一読し、最初から順風満帆ではなかったことを知ることができた。
次に、脱構築とプラトン『パイドロス』の関係について少しだけ理解できた。
ホワイトヘッドは西洋哲学史はプラトンの注釈にすぎないと語ったそうである。
確かに、デリダにおいてもプラトンの著書をほじくりまわしているような、素人ながらそのような印象を持った。
デリダは、ソクラテスが会話のなかで「パルマケイア」という人物の名前をさりげなく挙げたところに着目した。
これはもともと泉の名前であったようで、その水を飲むと死んでしまうというものであったという。
この言葉は「パルマコン(=毒)」であるという見方をし、その後ソクラテスのパロール(話言葉)とプラトンがソクラテスの代わりに書き残したエクリチュール(書かれた言葉)と対比していく、、、という複雑な手法になっているようである。
ここまで軽く読めば、たしかに池田晶子氏がいっていたように、いわゆる「ニューアカデミズム」がいかに哲学と異質なものであるかが少しだけ分かった気がした。
議論のための議論、反論のための議論。
といった印象は否めない。
デリダは何を目指したのだろうか。
公開日2022/8/14