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読書日記641

     米原万里『打ちのめされるようなすごい本』文春文庫(2009)

■株式会社文藝春秋

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日記

積読のままであったミハイル・バフチン『ドストエフスキーの詩学』について語られたり、上野千鶴子氏、小熊英二氏、鶴見俊輔氏、大澤真幸氏、鹿島茂氏、、、、など数えきれないほど多くのことが語られる。

本書はブックガイドとしても読める。

気になった本は古本屋か書店で買い求め、かくして次々に本が連鎖していく。

この営みが非常に楽しい。

ブログは育てるものだ、と誰かが行っていたが、読書という行為も育てるものだと感じる。

読書という行為が始まったその瞬間に頭のなかに「読書空間」なるものが生まれ、次々と新しい本が置かれていく。

・・・

前から感じていたように、大澤真幸氏の本は抽象的過ぎて読みにくい。

著者がそのことを本書で指摘していた。敢えてやっているのではないか、と。

また、著者とは別の人がそのことを批判し、不満が解消された、と書いてあった。

難しい翻訳書ならまだしも、出版するような本を、日本人が日本語を敢えて複雑にする意味は無い。

自分は難しいことを考えることができる、というアピールに他ならない。

それが見事に失敗すると、代償は大きい。

分かりやすさは罠でもあるが、分かりにくさも同様に罠である。

ということを著者が教えてくれたような気がした。

つづく

公開日2022/8/29

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