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読書日記659

小林秀雄『小林秀雄全作品 別巻1』新潮社(2005)

■株式会社新潮社

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日記

池田晶子が認めている批評家といえば小林秀雄である。

今回は『感想』を読む。小林秀雄がベルグソンを語る。

自由とはなにか、という難しいテーマについて語られる。

まださっぱり分からないが、時間と空間について絡めて論じていることは理解できた。

自転車に乗っているときに「自由意志」問題を考えるときがあった。

人は遺伝子に操られたロボットと変わらない。これを否定するためには何を論証しなければならないのか。

よくある哲学的なテーマである。

人は対象を論じるときに、そもそも対象について理解しなければ何について論じているのかすら分からなくなる。

自由とは何か。

まずこの命題に決着がつかなければ自由意志問題の入り口すら立てない。

自分で考えて自分の好きなように行動すること、といった浅はかな定義で自由意志問題など論じられるはずはない。

例えば、私たちは日本に生まれてくる選択肢はなかった。

日本語を選ぶ自由はなかった。

生まれてくる条件は全て不自由であった。

原点が全て不自由であるにもかかわらず、いつの時点でそれが自由に刷り換わるのだろうか。

ここがそもそもの論点である。

つづく

公開日2022/9/6

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