閉じる

読書日記661

水木しげる『ねぼけ人生』ちくま文庫(1999)

■株式会社筑摩書房

公式HP:https://www.chikumashobo.co.jp/

公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/ChikumaShinsho?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日記

水木しげるの本が気になった。

『人生をいじくり回してはいけない』は新入社員の頃に読んだ。

たしか、戦争で片腕を失った話がそちらでも語られていた気がしたが、本書でも戦争について語られていた。

水木しげるは面白い人で、すぐ仕事をクビになったり、51人中50人うかる入学試験に落ちていたりする。

一方で、楽天的でいられたから戦後も強く生き抜いたのだなと考えさせられるものがあった。

「盲目であることの才能」といった表現を三島由紀夫が『沈める滝』のなかで書いていた。

オプティズム(楽観主義)とは見なくてもいいものを敢えて見ようとしないことの才能なのである。

私は考えすぎる。

馬鹿みたいに考えすぎる。

本書を読むと、私のような人間は戦地へ赴いたところですぐに死んでしまうだろうと思わずにはいられなかった。

楽天であることは才能だと感じた。

勿論悲観的であることもまた人間なのだが。

強さとは、ある一面では楽観でもあるのだなと思わされた。

本書は定期的に読み直すことで力を与えてもらえるだろう。

公開日2022/9/7

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *

© 2024 ラボ読書梟 | WordPress テーマ: CrestaProject の Annina Free