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読書日記666

          千葉雅也『デッドライン』新潮社(2022)

■株式会社新潮社

公式HP:https://www.shinchosha.co.jp/

公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/SHINCHOSHA_PR?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

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日記

先日、ジュンク堂の新潮文庫コーナーをうろうろしていた。

つげ義春の本が少々気になっていたので探していたところ、同じ「た行」であった千葉雅也氏の本が目に入った。

一瞬驚いた。

千葉雅也氏はいろいろと本を出していたが、そのだいたいは河出文庫(『動きすぎてはいけない』、『ツイッター哲学』)であったり文春文庫(『勉強の哲学』)、講談社新書(『現代思想入門』)から出ており、新潮文庫のコーナーに置いてあることに違和感を感じた。

あとで分かったのであったが、この本はつい最近文庫になったのである。

学生時代の自伝的な物語なのだろう、面白そうだな、と思い読んでみることにした。

・・・

哲学者の小説とはいえ、内容は読みやすく、現代思想の話もちょこちょこ出てくるので面白い。

例えば、目的が達成されると手段は消滅するという話のくだりは面白かった。

エネルギーに例えると、ガソリンは車で移動していくうちに消費され消滅していく。

この原理を会話に応用させていた。

ある特定の内容を伝えたい場合、まずそれが目的となり言葉が手段となる。

ところが内容を伝えたあともその言葉自体は消滅しない。

このことをデリダと関連付けて話が展開されていた。

哲学の講義はなんておもしろいんだ、と今更ながら感じている。

正直、とってもうらやましいのである。

つづく

公開日2022/9/11

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