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読書日記701

           藤原正彦『名著講義』文春文庫(2012)

■株式会社文藝春秋

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メモ

藤原氏「ナショナリズムとは自国の利益のみを追求する恥ずべき考え方である」

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日記

藤和氏の本は面白い。

まだ読んでいない古典の話が盛りだくさんであったので読んでみた。

今日は内村鑑三と福沢諭吉の書いた内容について読んだ。

・・・

藤原氏は、大事なことは本の内容だけではなく、時代の文脈を読み取ることであると話す。

福沢諭吉『学問のすゝめ』は実学の重要性について説くが、当時は西洋によるアジアの植民地化を危惧してのことであって、藤原氏はその内容をそのまま現代に当てはめず、批判的に読んだと語る。

また、藤原氏は文学や哲学、芸術の「非実用性」に関して、ノーベル賞受賞者数と関連付けて語る。

実学の発達のみでは「革新」は起きないと語る。

藤原氏は、中国や韓国でノーベル科学賞の受賞者数が日本より少ないのは文化的な背景があるとみている。

換言すれば、受賞者数が増えることは非実用的な学問が発達している兆候でもある。

内村氏の本はキリスト教と欧米人の人間性の関係を理解する上で重要であるように感じた。

例えば拝金主義の裏には「活力」が隠れてて、これが宗教とどう関係しているのかを考えてみるとなかなか深い考察ができるように思う。

欧米人の獣性(=活力)について藤原氏は「ブルータリティ」と表現していた。

藤原氏は、例えばフランスのホテルでは注文していないものが領収書に計上してあったりと、度々喧嘩を起こしたものだと語る。

欧米人の文化と日本の文化の違いについて、新鮮な話が聞けてなかなか面白い本であった。

公開日2022/10/1

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