■有限会社而立書房
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日記
久しぶりに良書だと思える本に出会えた。
個人的に良書というのは以下の条件を満たすものである。
・読んでいて面白いと思わせるものがある
・新しい発見がある
・難し過ぎず、易しすぎない
・途中のページから読んでも理解できるような構成
など
この条件を本書は完璧に満たしている。
本書は書評に半分ほどのページが割かれていて、残りは現代社会についてインタビュー形式で語られていく構成となっている。
また、書評は内容がそれぞれ独立しているのでどこから読み進めても問題ない。
・・・
阿部謹也という人物のエピソードや、著者の読書経験の話に刺激をもらった。
「乞食になっても学問をやりたい」という阿部氏の情熱に打たれる。
また、著者が夜中の四時まで本を読んでいたという話を読んで、自分はまだまだ読書時間が足りていないと感じた。
もちろん無理をしていては本末転倒であるのでそこは身体と相談しながら適当にやっていきたい。
・・・
「何か楽しいことはないか」
この発言に近代自我の特徴があるという話は面白いものであった。
自分は何をしたいのか。
自分でさえも自分という不可解な存在を抱えているのである。
モノ・コトが溢れる過ぎていて選択肢が多すぎるのか。
なんという錯綜。
読み物として非常に面白い。
目立つ位置に置いておきたい一冊である。
公開日2022/10/5