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読書日記714

   荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために』東京書籍(2016)

■東京書籍株式会社

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日記

様々な在野研究者の半生が語られた。内容はどれも興味深く、一気に半分(120ページ強)ほど読み進めた。

そのなかでも野村隈畔と三浦つとむの二名が印象的であった。

(両方とも哲学を勉強したという点において)

特に自分は野村隈畔という人物になんらかの共通点があるように思い、共鳴した。

彼の堕落ぶり(?)に加え、権威に楯突く姿は岡本太郎を思わせた。

・・・

大学に所属せずに哲学研究で名を残した。

彼が「大学哲学/哲学」の区別するところに、池田晶子の考えに通ずる部分があった。

大学哲学は思想書の翻訳や紹介にとどまっていると批判した。

哲学「する」ことと、思想を学ぶことは違う。これは同意する。

彼は大学哲学が哲学を「労働化」していることに不満を持ったと書いてあった。

聴講生として講義を聞いていた野村隈畔は哲学「する」ことを選ぶ。

まるで池田晶子そのものではないか。

三浦つとむの本は講談社新書から出ている。

(『弁証法とはどういう科学か』)

驚いたのは、彼が事実上「中卒」であり、独学で成り上がった点である。

情熱に勝るものはない、本書を読んで改めて感じた。

公開日2022/10/6

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