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メモ
執行草舟「世の中に絶対正義は無い。あると考えている人のことを教条主義と言う。」
教条主義・・・権威者が述べたことを深く考えず、その考えに固執すること
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日記
社会について、仕事について、良い意味で「クソ真面目な」本である。
ただ、著者の思想はおよそ一般的ではなく、自己啓発のような表面的な本ではなかった。
先に『超葉隠論』を読み終えたので、この700ページ以上ある分厚い本をややハイペースで読めている気がする。
・・・
人生の無意味感、ニヒリズムについては様々な思想家たちによって様々な考察がなされている。
不合理な社会のなかで私たちはどう生きるべきか。
そもそも何故無気力なのか。
執行草舟氏は無気力な若者が多い理由について、「ぬるま湯の社会」があることだと語っていた。
ぬるま湯の社会の定義がなされていなかったので想像にはなるが、これは端的に物が大量に溢れる、質的にも安定した社会と考えられる。
単純明快。
しかしどうなのだろうか。
本書はそもそも語る内容が広すぎてところどころ説得力に欠ける印象を抱いた。
例えば無気力に関してはヴィクトール・E・フランクルが活躍していた頃から既にそのような兆候があったので、なにも高度経済成長以降始まった現象とは結論できないだろう。
・・・
どんなに優れた著者だとしても、批判的に読まなければならない。
従って、少しでも論理的な欠陥が見受けられるのであれば躊躇なく批判しなければならない。
例えば執行草舟氏は絶対主義を否定している。
端的に根拠が少ない。
プラトン全集を全て読み込んだのだろうか。
教条主義は深い洞察が足りていないということであるが、この言葉をそっくりそのまま返したいところでもある。
とはいえ、全体的には非常に博学な人物であり、説くに西洋東洋問わず古典について詳しいので読んでいて面白く勉強にもなる。
日本における数少ない思想家、実践家であることは疑い無い。
【2024年現在の追記・補足】
この記事を書いてから約半年後、私は執行草舟氏と直接話をしていただける機会を得た。
書斎に置かれている圧倒的な書物の量に驚きを隠せなかった。
いまでは憧れの人物であり、不可能とは知りつつもこの人物を超えてみたいという、無謀な野心を抱いている。
公開日2022/10/10