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つづきをよみすすめた。
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日記
本書もいよいよ残り80ページほどとなった。
塵も積もれば山となる。
分厚い本であっても、少しずつ読めば最後までたどり着く。
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第二次世界大戦の影響により、林達夫は自身の蔵書をも奪われる結果となった。
そして再度、書目リストの作成に当たった際、波多野精一が推奨したリストを着実に読み進めたと本書に書いてあった。
波多野精一とは京都帝国大学名誉教授であり、哲学史と宗教哲学の専門家であったとされている。
林達夫が波多野精一に相当な影響を受けていることが本書の読解のなかで見えてくる。
無神論者を自認する林達夫の精神を本書は明らかにしていく。
その詳細は最後まで読んだあとに感想という形で書き残したい。
・・・
最近いろいろな本を読んでいて思うところは、現代の欠点は神が存在しないと考えるニヒリズムにあるようにみえる。
虚無感、閉塞感、無意味感は遡ればおそらく宗教と関係している。
本書によれば、哲学者ホワイトヘッドは、17世紀は「天才の世紀」と述べた。
ちょうど世界の魔術化がギリギリ残っていた時代である。
おそらく、林達夫は思想を考える際、宗教を語らずじまいでは無意味だと悟っていたのだろう。
また、「信ずる」ということの重要性を確信していたのだと思う。
学生時代、理科系であった私は宗教というものを完全に舐めていた。
ところがその十年後にしっぺ返しをくらうわけである。
日本は宗教と国の問題で忙しい今日であるが、世界の再魔術化について、宗教のあり方について、再度考える意義は間違いなくある。
公開日2022/10/18