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日記
仕事帰りに東京の丸善ジュンク堂書店へ寄り道した。まず坪内裕三氏の本が気になった。そのあと外国文学コーナーをうろうろする。
相変わらず『カフカの日記』は姿を消したままだ。また、カフカ論などカフカに関する本も多数出ている。
『生命 科学の忘れもの』に、本人でさえも分からない心の領域というものが存在すると書かれていた。
この本に言わせれば、今更カフカについて書き連ねたところで、その解釈はすべて間違っている。
ジョハリの窓を思い出した。
無意識という言葉には還元できない何かがある。
やりたいことは何ですか、という質問がある。
この質問に対する答え方は少なくとも二通りある。
ひとつは、仕事と関連付けて答える方法。もうひとつは、本音ベースで答える方法。
前者は「〇〇を研究して、〇〇を開発したい」等。
後者は「毎日遊んで暮らしたい」といった、できればそうなってみたいという願望のような応答である。
『生命 科学の忘れもの』は哲学的な話が多く、常に興味をひきつける。おかげでそのほかの本が時間が足りず読めていない。
蜂には蜂の行動原理、蟻には蟻の行動原理がある。しかし、どんな遺伝子が正六角形の巣をつくらせるのか。どんな遺伝子が蟻に行列をつくらせるのか。
種があってそのなかに個があるのではなく、個が集まってそこに種という形がみえてくる。なんとも逆説的な深い話であった。
個のなかに「共感覚」があり、それが「統合力」というものを生み出す。(蜂は必ず正六角形の巣をつくる)
こういうことは科学では説明が困難だということが伝わってきた。
この一連の読書経験は、読書熱を高めてくれる。次に自分は共感覚に関する本を読もうと思うようになった。
そのほかにも、量子関係やライプニッツのモナドに関する本も手を出してみた。
理解できるかは知らないが、とりあえず好奇心のままに進んでみようと思う。