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+ハンス・ブルーメンベルク『世界の読解可能性』
つづきを読み進めた。(読書日記820に収録)
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メモ
静寂主義・・・神の決定に従い、心を静かにする態度
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日記
塵も積もれば山となる。
上巻と合わせて約750ページ読み進んだ。
(以下ネタバレ含む)
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今日も読みながら様々なことを書いてはメモし、思索を行った。
まずひとつ、個人的に教条主義というものが心のなかで引っ掛かりとなっている。
いくら根拠を並べ立て説得力のある論述をしようと、世の中の出来事は常に新しく、物理的にもあらゆる物事は一回性であるはずだ。
そんなときに、過去というもの、歴史というものはいかなる意味を持ちうるか。
古典を読むことにいかなる意義をもたらすのか。
それはやらないよりはマシである、という程度の事にしかならないのか。
ハンス・ブルーメンベルクの『世界の読解可能性』はまさにこの問いに立ち向かうものとなっている。
何が知り得ないことなのかをハッキリとさせることができれば不毛な思索、考察は排除できる。
内容としてはかなり深いものとなっているのでこれは地道に読みたい。
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魔の山を読み進めた。
非合理主義のナフタと人文主義者のセテムブリーニの議論が終わり、そしてヨーアヒムが下へ降りることになった。
サナトリウム生活もあっという間に一年以上経ち、日に日にまた新しい患者が上の世界にやってくる。
そろそろも物語が終盤に入る。
これまで個人的にもヒューマニズムについていろいろと考えてきた。
執行草舟氏の影響が大きい。
福祉国家は死を遠ざけ、苦をできる限り軽減することを価値とする。
セテムブリーニ氏は苦悩を遠ざける「苦悩社会学」なるものを構想する。
しかし、突き詰めると延命によって苦しめられるという逆説も生まれる。
でなければ、今日これまで安楽死について様々な議論が行われなかったであろう。
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格差を是正しようという流れは一定数あるように見える。
ただし、この思想に関しては様々な角度から批判し、検討する必要があるように思う。
私は今日、平等主義者の誤謬をひとつ発見した。
結論から書くと、格差が0になったとしても、以前より暮らしが悪くなれば本末転倒である。
平等主義者は格差の是正を訴えるが、それは富の完璧な再分配によって人々の幸福度の総量が増えるという前提に立ってのことなのである。
そして、この思想の背後には「苦悩はできる限り排除しなければならない」という福祉国家を支えるヒューマニズムがある。
勿論、そのことの全てを否定することは短絡的でありナンセンスである。問題は、人々の苦に対する考えの多面性に目を向けることにある。
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苦悩のない文学作品には意味があるのだろうか。
苦悩のない無機質な仕事、人生に意味はあるのだろうか。
トーマス・マンの考えはまだ分からないが、この問題意識はこれからの社会においてもなお有効であるように思う。
公開日2022/11/16