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読書日記87

橋本努『ロスト欲望社会:消費社会の倫理と文化はどこへ向かうのか』勁草書房 (2021)

つづきを読み進めた。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/04/07/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%9886/

今回は消費者団体の項を取り上げる。

今当たり前となっていることは、昔は当たり前ではなく、消費者がボランティアという形で連携して運動を起こした結果でもあると分かった。

たしかに自身の記憶だけでも、雪印の問題や表示偽装問題、焼き肉屋の食中毒事故問題などいろいろあったように思う。

もっと昔にはカラーテレビ一年間不買運動といった、僕の知らない運動が数多く展開されてきたのだと分かった。

現在の問題として、専門性が問われていることにあると書かれていた。

コインチェックの流出問題は記憶に新しい。

現在はITの世界や金融商品など、並大抵の知識では不正に立ち向かえないような商品で溢れている。

行政と消費者がもっと連携をとらなければならない。

以上まで読んで思うことは、高度な技術による消費者と生産者の非対称性である。

それと似た形で、医療も医師と患者は非対照関係にある。

一方が情報を大量に持ち、一方はほとんど持たない。

そのなかで公正な取引が行われていると言えるのだろうか。

ここが資本主義の欠点であるようにも感じた。

資本主義について考えようと思えばいくらでも尽きない日々である。

つづく

公開日2022-01-31

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