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読書日記848

       佐藤優『いま生きる「資本論」』新潮文庫(2017)

■株式会社新潮社

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メモ

共産主義の初期状態を社会主義と呼ぶ

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日記

古典の面白さに気がついたので、今日はマルクスとエンゲルスによる『資本論』を理解するべく本書をまず読んだ。

本書は宇野弘蔵によるマルクス解釈 (宇野学派) に依拠しながら講義が進む。

佐藤氏によれば、宇野学派は「理論ー実践」といった共産主義的な考えを退け、あくまで資本主義社会の論理構造だけを突き詰めていくものであるという。

そのため、主観性が排除されているのでイデオロギーはないとされる。

・・・

あっという間に110ページほど読み進んだ。

予備知識は少しあったが読んでみて改めて感じたのは、端的にマルクスが非常にだらしなく、ここまで人間的に堕落している人だとは思っていなかった。

エンゲルスという人物は何をやっても成功するので、うまくマルクスと調和し、こういう不思議な縁というものもあるのだなと感じた。

講義に関しては少しずつ、分かりやすい形で進んでいく。

『資本論』は商品の分析から始まる。

原典はややこしいみたいであるが、佐藤氏はうまくまとめているように感じる。

学問的な知識は部分的に割愛。

そのうち自分でこの記事をスマホで見ながら復習するのである程度は書き残す。

まず使用価値の意味をメモ。

使用価値は資本家にとってどうでもいいものである。

売れればいいだけで、「他者のための使用価値」が本来の意味である。

次に搾取と収奪の違いについて。

拒否権があるかぎりにおいて、搾取は収奪ではない。

定義上、搾取は破産した企業にのみ適用される。

また、税金システムは収奪である。

国家は社会から吸い上げる形で存在しているが、暴力装置としても機能する。

したがって、官僚制を否定することは国家の撤廃を意味し、国家がなくなれば隣国に併合されてしまうので、国家自体は維持する必要がある。

そのため、官僚制は維持装置として機能する。

初期の日本共産党は『資本論』を正しく解釈できてない。

従って論理に欠陥があるため、共産主義者、すなわちマルクス主義の欺瞞はここにあると思われる。

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