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読書日記863

河本英夫『創発と危機のデッサン:新たな知と経験のフィールドワーク』学芸みらい社(2022)

■株式会社学芸みらい社

公式HP:https://www.gakugeimirai.jp/

公式X(旧 Twitter ):https://x.com/gakugei_mirai

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日記

脳科学のコーナーに哲学や美学を横断的に語る本があったので購入。

中身は難しいが、様々な現代哲学のトピックが実証的な知見に依拠しながら語られる。

例えばAIによる自動翻訳がまだまだ完璧ではない原因としては、膨大な文章を統計的手法によって解析しても、意味をめぐっては人間が言葉を使用する際に、語られる対象と語り手との齟齬や「揺らぎ」があるために不確定的な側面を排除しきれないからということが書いてあった。

このことを美学上の問題と絡めながら個人的に考える日々を送っている。

そして本書にはさらに、ダーウィン以後の美学についても論じられている。

まだまだ読み込めていないが、オスが求愛行動する際に見受けられる「見栄」や「装飾 ≒ 虚構」は、生存戦略上必要であることと「美」がそのなかに隠れていることから、美学の応用性について意識させられた。

また、虚構をめぐっては、人類学の本をいくつか読んだあとに、人間が生きるために重要な要素であることを理解してからは学ぶべきものだと思うようになったので、このダーウィン以後の美学というものを少しずつ読んでみたいと思った。

公開日2022/12/13

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