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三木清『三木清教養論集』講談社文芸文庫 (2017) 読了

三木清『三木清教養論集』講談社文芸文庫 (2017)

三木清 (1897-1945年) は、ハイデガーのもとで哲学を学んだ人物である。

『哲学ノート』『人生論ノート』という本も買ってみたが、僕はさっぱり内容がわからなかった。

しかし、この本は比較的読みやすく、なんとか全部読めた。

・教養と政治

結論からのべると、社会を変えるのは政治的な教養であると言っている、そういうふうに僕は解釈した。

知識階級 ( 知識人 ) の無力感について三木氏は指摘している。

僕はそれが世襲によるものと解釈した。

知識があっても国の指導者にまではなれない、それがに今日の ( 昭和初期 ) 政治的関心の無さと繋がっているという。

行政官は法学に傾き、たいして政治を知らないものが多いということも書いてあった。

技術が社会を変え、資本主義が人を苦しめる要因であれば、責は資本主義にあるのではなく、技術にもなく、社会の仕組みであると書いてあった。

僕は心のなかで唸った。

まさに今の社会そのものではないか。

技術が社会を変えるというのは不自然である。

それは人間による社会制度の改正・構築がなし崩し的に行われていくことに繋がる。

法律が現実に追いつかない。

本来は平行関係にあるべきであると僕は思う。

落合氏が言っていたことは、少し安易な気もする。

技術だけが社会を救えるとは思えない。

つづく

公開日2021-12-31

補足:

『人生論ノート』に関しては、この記事を書いてから2年たった頃に読み返したが、なかなか平素な文章で読みやすかった。前提知識の有り無しで読み易さがある程度変化していくように思われる。

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