■株式会社明月堂書店
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日記
第一講の終わりまで読み終えた。
序盤では教養の意味、リベラルアーツ、ヒューマニズムの定義などが語られたがこのブログでいろいろと書いてきたので割愛。
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話の中心はカントとアーレントの関係性についてであった。
カントは道徳について深く考えたが、本書によればカントは政治についてはあまり考えてこなかったのだという。(とはいえカントの時代にはリアルタイムでフランス革命が起きていて、それに対しては高い関心を持っていたとされる)
本書には、カントは美と善の類似点は認めたものの、彼は「善い」が成立するメカニズムや道徳的判断をきちんと論じていない、と書かれていた。
仲正氏によれば、アーレントも共同体について考察する際に、美的判断に含まれる「共通感覚(=花を美しいと感じる感覚)に着目し、『判断力批判』を参照したとされる。
しかしながらカントもアーレントも、美的判断から「道徳的価値判断」にまでは到達することができなかったとされる。
この点は非常に重要である気がするので忘れないようにしたい。
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感性や感覚をベースとした考察は間違っているとは思えないが、「善」というものを追求するには素材が足りないということなのだろうか。
とにもかくにも、美学から政治学へ応用させるには限界があることが理解できた。
「善」については今はさほど関心が高くない為、ひとまず読み物として楽しく読んでいきたい。
公開日2023/1/1