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読書日記888

合田正人『模倣と創造 哲学と文学のあいだで (明治大学人文科学研究所叢書) 』書肆心水 (2017)

■書肆心水有限会社

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公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/SHOSHISHINSUI

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日記

今日はいろいろな原因が考えられるが、とにかく集中力や気力のない一日であった。

それでもなんとかアウトプットとインプットを怠らず、本にかじりついた。

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どこから書き始めればいいのだろうか。今日は昨日読み終えたモーム『サミング・アップ』を読んで感じたことを内省しながら次の課題を探っていたように思う。

仲正氏によれば、カントもアーレントも、美学的な判断(≒共通感覚)から道徳的価値判断へは応用できずにいた。

今感じている快、不快という感覚は明日の快へと、来年の快へと繋がり得るのか。そのように考えていくといったいなんのための五感なのかと考えざるを得ない。

五感は何を保証するものなのか。そのような美学的な問題が消化できない苛立ちを覚えながらこの二冊を読んだ。

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たまたま入った古本屋さんに読みたかった本(『今こそルソー読み直す』)があったので読んでみることにした。

古本屋に入る前に『模倣と創造』を少し読んでいたのであったが、本書には示唆的なことが書かれていて、「負けまいと努力する」を意味するドイツ語nacheifernが「模倣する」を意味するnachahmenのニュアンスが含まれているという驚きの発見をし、そもそも感性がどうのこうのいう前に、言語の普遍性について考える必要性があると感じていた。

この発見は、ルソーが『言語起源論』を書いた理由のヒントとなる気がしたのであった。

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読んでいくと、ホッブズが想定した「自然状態」というものが、歴史的に裏付けされたものなのか、それとも人間の本性に関するものなのかがハッキリしていなかったことをルソーが批判した、と書かれていた。

そしてルソーは「言語の起源」まで遡り人間の本性を辿っていたことが分かった。

しかし仲正氏は、言語の起源を突き詰めていくと自ずとパロールとエクリチュールに関する「音声中心主義」の問題に突入し、鶏が先か卵が先か問題と同じで、ルソーは回答不可能という結論を出したと書いていた。

デリダによるルソー読解に関してはこれから本書を読み進めていき確認したい。

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自分が追求したいテーマは「言葉とイデアについて」だと感じている。

これは去年の読書経験、執筆経験で一貫したテーマであると自負している。

言語上の問題は非常に狭くミクロの世界であるが、ミクロの問題はマクロの問題でもあり、あらゆる社会問題へと繋がっているように感じている。

自分は言語上の問題からアプローチしていきたいということに変わりはない。

公開日2023/1/5

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