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日記
三作目の小説の執筆をしながら本書を読み進めた。
メルカリでお世話になっている方に教えてもらった「書くことはセラピーにもなります」という意味が少しずつ理解できるようになった。
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本書の問題提起は多様にあるように思えるが、ひとまず「(Xは) このままでいいのか」という問いが展開されていく。Xは日本であったり、人生であったり、抽象的な概念でいえば例えば政治制度、男女の問題、人間の関係性、その他複数の社会学用語が代入されていく。
冒頭では中野駅周辺の様子の写真が二枚掲載されている。
1959年と2000年。
前者は大人と子供が夕方一緒にフラフープをしている姿が確認でき、後者は道路は歩道が整備されており、人が全くおらず、閑静としている様子が伝わる。
この写真に隠された意味を宮台氏の経験とともに一緒に考えていく構成となっている。
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「行為功利主義 / 規則功利主義」の二分法は思考術としても応用しやすいように思われた。
昔は「まあ仕方がない」という「共通前提」を日本人が共有していた為、ある程度の違反には目をつむる行為功利主義的な社会があったが、今はその前提が崩壊してしまい、「まあ仕方がない」という発想にならないこともあり「許せない」と思う人が増え、規則功利主義的な社会になった、と個人としては理解した。
単純に要約できるものではないが、ひとまず公園にある禁止事項の多さがそれを端的に表していると言える。
問題はなぜ共通前提が消え失せたのか、である。
グローバル化や競争の激化、要するに「ネオリベ化」がその原因であると考えられているが、これは短絡的であり複雑な考察は学者に任せたい。
「そうなってしまった今の社会でなにをすべきか」という発想に切り替えるべきだ。
ひとまず「性愛」の章までの結論は「傷つくことも承知でとにかく現実とぶつかれ」だと個人としては解釈した。
これが極端な方向に進むと岡本太郎的な「芸術(≒人生)は爆発だ」発想になる。
ひとつには、とりあえず自分の性質、気質を探ることが大事なのだろう。
サマセット・モームも同じことを書いている。
社会を知り、人間を知り、自己を知るにはぶつかっていくしかない。
ひとまず読んだ感想としては以上であるが、しかしグローバル化という抽象的な出来事がいかにして環境や人間を変化させたのか、再度考えさせられる。
社会学の本はやはり定期的に読むべきだと感じている。
公開日2023/1/7