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読書日記898

ルソー『言語起源論 旋律と音楽的模倣について』岩波文庫 (2016)

■株式会社岩波書店

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日記

内容的にすらすら読めるものではないのでじっくり読み進めた。

今日の解釈では、人間の言語が動物のそれより発達したのは「観念」の共有のためにある、という理由にある。

抽象的な理解にとどまってしまったが、「観念」というものは「意識の内容」のようなものであり、ルソーは「協約」が動物と人間を分けるものであると書いている。

・・・

この考察は美学上の考察に材料を与えるように思われた。

視覚と聴覚はコミュニケーションの中核であり、美学的なものもこの二つに大きく影響を与えられる。

模倣、記号、情動、音声。

心理学的には「メラビアンの法則」というものがあり、視覚情報から入る情報が最も割合が高いとされる。

しかし、感動を生むにはどうやら音声のほうが優位に立ちそうである。

よくある例としては、絵は音楽に勝てない、といった文句である。

美的な価値としては音楽のほうが優位にあるとは断定できないにせよ、たしかに「感動」を促す効果は聴覚が優位にあるようにみえる。

いろいろと考えさせられる内容である。

公開日2023/1/12

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