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執行草舟『生命の理念Ⅱ』講談社エディトリアル(2017)
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日記・感想
『ゲーテとの対話 中』
晩年のゲーテの姿を垣間見ることができた。
人生の最期まで自然に対する洞察や文学への傾向は収まることなく、読み終えたあとは、高貴な精神とはこういうものなのだという、感慨深い気分に浸ることとなった。
エッカーマンと交わされた会話は哲学的、文学的な、非常に知的なものが多い印象であった。
示唆的なものが数多く収められていた。下巻では何が書かれているのか、こちらも楽しみなものである。
メモ
ディドロやヴォルテールについて語るゲーテ
“「ルイ十四世以来成長し、ついに全盛期に達したというわけだ。しかしディドロやダランベールやボーマルシェやその他の天才を煽り立てたのは、そもそもヴォルテールだったのだ。なぜなら、彼にも伍してひとかどのものであるには、たいへんな才能をもたねばならなかったし、また休みなら努力せねばならなかったからね。」” P346
安楽椅子について語るゲーテ
“「安楽というのはどんなものにしろ、元来、まったく私の性質にあわないのだ。(・・・)きらびやかな部屋や、しゃれた家具とかいったものは、思想ももたず、また、もとうともしない人たちのためのものだよ。」” P399
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『生命の理念Ⅱ』
昨日読んだ箇所は、現代の歴史が科学的手法によって、それがもはや考古学の様相を呈してることが語られた。しかしながら、事実というものは複雑であり、社会的事実(誰が誰に対して何を言ったか、そのメッセージを受け取ってどう動いたのか等)と物理的な事実(どのようにして動いたか、物理的に何の手段に訴えたのか等)に分けることができるが、科学に偏重することによって前者の社会的事実が骨抜きにされてしまう。
それでは遺物収集家と何も変わらないということを自分は学んだ。よって、以後歴史書に手を出す場合。そのような本、そうでない本を見分けることが肝要といえる。アナール学派は相対的には優れているとされるが、それでも科学に偏重していると執行草舟氏は語っていたのが印象的であった。
・・・
今日は死生観について語られた。
結論から言えば、日本が先進国になれたのは武士道を基盤とする誇り高い精神に支えられたからであったというのが伝わった。西洋の強さは「ソンムの戦い」に詰まっていることも理解した。
現代のヒューマニズムは人権の名のもと、生を無条件に肯定する。その是非は自分は問わないが、そのことによって社会問題へと発展するケースが少なくない。安楽死問題などはその最たる例と言える。無条件に生を肯定する社会においては、生の価値を絶対視することによって、逆説的に生を否定するような(人間の尊厳など)事態に発展している。これは非常にむずかしい問題なので今日は深くは考えないことにした。
大事なのは、先人からいかに生きるのかを学び取ることであると理解した。
楽しむための読書の必要ではあるが、やはりまだまだ読書から学びを得なければならないと自分は痛感した。