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読書日記908

       ラス・カサス『インディアスの破壊についての簡潔な報告』岩波文庫 (2013)

■株式会社岩波書店

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日記

100ページ弱読み進めた。

カリブ海における複数の島で起きた悲惨な歴史に関する書物である。

ただひたすら、スペイン人のキリスト教徒がいかにして強奪と破壊を行ったかが延々と書かれる。

100ページあたりでうんざりしたのでいったん閉じた。

改めてミルグラムの服従実験について考えさせられた。

本書はスペイン人の心情に関する記述が一切ない。(少なくとも100ページあたりまでは)

本書だけでは「キリスト教=悪魔」という短絡的な印象を与えかねない。

ある意味単純すぎる彼らのやり方には、集団心理のメカニズムも働いているように思われた。

例えば、派遣されたキリスト教徒は階級的にはどういう層であったのか、殺戮行為の前後では、薬物の摂取で意識をごまかしたのか、そういう詳細な情報が欲しいと感じた。

あまりにも人間離れしているので、個人的な解釈としては辻褄が合わない。

たしかにタイトルの通り「簡潔な報告」であった。

スペインの目的は主に労働力(奴隷)の確保、鉱山で取れる金属、果実、砂糖の類いであったと思われた。

物質主義の原点を見せられた気分であった。

執行草舟氏の本を読むと文明を考えずにはいられない。

公開日2023/1/18

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