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つづきをよみすすめた。
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日記
エドマンド・バークの章を読み終えた。
ヒュームと同じく「慣習」というものを「合理性」よりも重んじ、それを政治制度に組み込ませることに傾斜している点で「保守」と位置付けられることが理解できた。
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仲正氏によれば「功利主義」の祖、ベンサムとバークは対照的な考えを持っているということであった。
バークは慣習法の権利保護機能を重視したのに対し、ベンサムは科学的な立法によってゼロから「最大多数の最大幸福=功利主義」を実現する法体系を提唱したとされる。
仲正氏によれば、バークは『省察』において、フランス革命には「時効による正統性」が欠如していることを指摘した。
時効とはもともとは民法の概念であり、一定期間占有している状態が続くと「所有権」が認められることを指すのだという。
具体的には「議会法」「先例」「憲章」がフランス革命には軽視されているとバークは批判したとされる。
・・・
バークにとって、政治に求められるのは「変化」ではなく、実効性が裏づけられた「安定した制度」であるのだという。そしてそれを実現するには「宗教」が重要であるとした。バークは宗教の役割を強調した。
“無神論の哲学を国家の基礎に据えようとするフランス革命の指導者たちの試みには無理があるので長続きしない。” P60 (『精神論ぬきの保守主義』)
“バークにとって「政治」の本質は、新しく発見した数学的原理に基づいて国家を設計することではなく、慣習的な制度の中の叡知を再出現し、実践的に活用する営みにあるのである。” P69 (『精神論ぬきの保守主義』)
島田雅彦『パンとサーカス』における「世直し」が肌感覚的に受け付けないのは、その暴力性のみならず「無計画性」であり、ただ単に政権をひっくり返すことでは統治システムは改善されないだろうという直感が個人的に働くからである。
人間の本質はいつの時代も基本的には変わらないと個人的には考える。
それは古典を読むことで大昔の人間も現代の人間も心理的には全く変わらないことが分かるからである。
換言するならば、数千年前の古典を現代の人間が読んで理解し、学ぶことが可能であるのは、人間という存在の本質が短期間で変わり得ないことを裏づけているからである。
つづく
公開日2023/5/6