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日記
柄谷氏の高橋和巳論について少し読んでみた。
柄谷氏は高橋和巳に対してかなり厳しい姿勢であり、『わが解体』については「解体じゃない、体裁のいい自己説明にすぎない」と述べた。
個人的には、日本人の小説家のなかで高橋和巳が一番好きである。
『高橋和巳論』という本を買うくらい好きである。
高橋和巳に匹敵する小説を書きたいと強く思った時期もあった。
高橋和巳の豊富な語彙力、苦悩に対する豊かで詩的な文章は、今でも十分に読むに値すると思っている。
病気を克服して40代以降も書き続けていたら絶対に彼は壮大な物語を書いていたはずである。
・・・
『時間の終わりまで』は熱力学と宇宙の関係について、難しい数式を使わず一般向けに構成されたものとなっている。
とりあえず90項までは読み終えた。
エントロピーと数学の話は過去にこのブログにいくらでも書いてきたので割愛。
(キーワード:確率統計学、大数の法則)
新しい発見があった。
著者は、今日の世界のエントロピーは昨日よりも高いという視点を提供してくれた。
つまり、過去へ遡れば遡るほどエントロピーは低いことになる。
言い換えれば、その極限がビッグバンであり、ビッグバンが起こるときは極限までエントロピーが低い状態なのだということであった。
これが何を意味するのか次の第三章「宇宙の始まりとエントロピー」以降で語られていく。
難しいところも多いが、刺激的な本であった。
公開日2023/5/31