■東京外国語大学出版会
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その他数冊
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日記
瞬間的な爆発、それは衝動と呼ばれるかもしれないが、読書をしていて良い言葉に出会うと内的な躍動感を感じることがある。
それが『新しい意識』を読んでいて久しぶりに体感した。
クレマン・ロセという哲学者の「悲劇の哲学」についてコンティエンの分析をじっくり読んだ。
人間、調子が良いときから悪い状態へ落ちていくと萎えるものであるが、悪い状態がパッと消えると活力、内からエネルギーが湧き溢れる。
この瞬間的な爆発について、ファム・コン・ティエンは語る。
この章を読み終わってから、昨日までの憂鬱感が徐々に消滅していった。
コン・ティエンは「並外れた人間は不幸と幸福が完全に一致する」と述べていたが、この発言が実業家であり著述家である執行草舟氏の言葉と完全に一致していた。
・・・
コン・ティエン
「必要なのは唯一の徳性だ。それは大文字の<徳性>、まっすぐ立ち続けること、だ。まっすぐ立ち続けることは、幸福の軽蔑である」
「幸福の軽蔑は、沈黙して、希望なく、寛大に深淵へと旅立つことである」
「安易なことを拒絶しろ」
「孤独であることに、飢えていることに、凍えていることに跪いて感謝しろ。感謝すること。なぜならぼくは十分に得ており、もう足りないものは何もないからだ」
『新しい意識』は逆境のときにこそ読むべきだ。
・・・
今日は個人の経営する書店に行きたいと思っていた。
しかしあまりにも暑いのでその意志は脆くも崩れ去ってしまった。
双子のライオン堂は赤坂にある。遠すぎる。
しかし奇跡的に双子のライオン堂の本があった。
いっきに180ページ読んだ。
気になるのはやはり店主の半生だ。
意外にもベンチャー企業でバリバリ働いていたと書いてあった。
しかし同時並行でネット書店も行っていたそうである。
本に対する情熱を感じる。
なぜ本に対してここまで情熱を持っているのか。
それは学生時代に本に支えられた経験からだそうであった。
自分は就活の頃にいろいろと読み始めた。
情報集めのためもあったが、社会に対する批評の眼を本は与えてくれた。
そんな店主はどういった本屋をつくっていきたいのか。
なぜ今売れない本なのか。
やはり後に続く世代に対する思いがあると思った。
自分もそう感じる。
本が売れなければ本を買いたい人のいる場所でひっそりと商売をすればいい。
マイノリティの力は偉大だ。
ジル・ドゥルーズや小坂井敏晶氏の本を読み、むしろマイノリティにこそ力は宿ると思えたほどだ。
アウトサイダーであってもいい。
マイノリティとしての書店は、必ず未来のどこかで点で爆発的な影響を与えるだろう。
公開日2023/6/17