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読書日記1113

       ジム・ホルト『世界はなぜ「ある」のか?』ハヤカワ文庫 (2016)

■株式会社早川書房

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日記

いつものように本屋さんでぶらぶらしていたら面白そうなタイトルの本を発見した。

「何故何もないのではなく、何かがあるのか?」

誰もが一度は考えたことのあるであろう、この素朴な疑問に関することだけで500ページほど割かれている。なんという重厚な本だろう、と思い凄く気になったので読んでみた。

まずこの問いに対する各々の哲学者の答えは以下の通りであった。

ヒューム「存在していると想像できるものは何でも、存在しないと想像することもできる」

カント「この問いが行き着く先は誤りや矛盾しかないかもしれない」

ライプニッツ「宇宙とは神である」

ベルクソン「その問いが偽である」

ヴィトゲンシュタイン「その謎は存在しない」

ラッセル「宇宙はただあり、それがすべてだと言わざるをえない」

・・・

言語と現実はどこまで一致するか。一致し得るか。

「独身者は皆、未婚である」

「独身者は皆、既婚である」

人間の認識なしに問いと答えは両立し得るか。

こんなバカげた問いをしてみる。

そもそも問いが人間の認識とセットなのではないか。

だからこそ、人間の認識能力の限界を突き詰めたカントは、この問いの先に矛盾を見出したのかもしれない。

まだ50ページしか読めていないが、最初から十分に濃い内容となっていた。

先が楽しみである。

つづく

公開日2023/8/20

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