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その他数冊
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日記
『精神の生態学へ (中) 』は非常に重厚な内容であった。
70ページの締め括りの文章は、言語コミュニケーションと論理の深みを思わせる。
“パラドクスが生じないようなコミュニケーションは、進化の歩みを止めてしまうのだとわれわれは考える。明確に規定されたメッセージが整然と行き交うだけの生には、変化もユーモアも起こりえない。それは厳格な規則に縛りつけられたゲームと変わるところのないものである。” P70
動物が認識不可能な言語コミュニケーションが、何故人間にはできるのか。
そこには矛盾性というものが持つ特殊な論理構造に依るのかもしれない。そう思わせる、非常に面白い章であった。
短絡的かもしれないが、すぐにゲーデルの不完全性定理を思い出した。
論理体系が無矛盾ならば、その無矛盾性を体系内から導くことはできないというものである。
・・・
パラドックスはあっていい、というベイトソンの意外な一面が明らかになった。
よく考えてみれば、ユーモアやお笑いは意味の矛盾というものが付き物である
つまり、人間的であることは矛盾を持つということなのである。そのように考えたとき、矛盾というものが人間の条件なのかと、ある意味残念でならなかった。
公開日2023/8/30