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つづきをよみすすめた。
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日記
ノートが最後のページまで埋め尽くされていることに気がつき、急遽空いているページを探した。
すると今年の7月の箇所に空白があったのでそこを使うことにした。
池田晶子の本質を突く言葉が書いてあったので、ついでにこの読書日記1210にも書き残すことにした。
“生きるとは存在することであると深く思い込んでいるからで、そうでなければ、半年よりは二十年という量の発想が出てくるはずがない。(・・・)じっさい、生命によって存在すること、すなわち生でも死でも存在そのものから見れば、その一形式にすぎない。” P322 (『考える日々 全編』)
“言葉は、言葉以外の目的をもたない。言葉が政治の目的をもつなら、それは政治の言葉であって、文学の言葉ではない。文芸評論家が政治的発言をすることについて、世の人は違和感を抱かないのだろうか。” P324 (『考える日々 全編』)
後者は遠回しで柄谷行人氏への批判だと思われる。
池田晶子は、小林秀雄が政治に対して何も言わなかったと語っていた。
一方、小林秀雄の再来ともてはやされたとされる柄谷行人氏と言えば、著書のほとんどは政治がテーマとなっているように自分には思われる。
・・・
池田晶子『新・考えるヒント』というタイトルは、小林秀雄『考えるヒント』から来ている。
池田晶子の本では至るところに小林秀雄への敬意が伺える。
小林秀雄も柄谷行人氏も、自分はそこまで読めていないので何も言えないが、柄谷行人氏の本は政治寄りの内容であることは自分でもある程度把握している。
自身の力不足か、この二人の文章がどのような点において根本的に異なるのかまでは自分には分かりかねる。しかし池田晶子にはなにか感じるものがあったのだろう。
“哲学という窮理の学問は、もとより言葉にし難いところのものを、あえて言葉で語っているのだから、文章表現は二の次でよいというのは、したがって、正しくない。言葉にし難いところのものだからこそ、言葉にはいよいよ自覚的にならざるを得ないはずである。” P202 (『新・考えるヒント』)
池田晶子は、哲学ほど現実的なテーマはないとどこかで書いていた。
普通の人は哲学上の問題を括弧に入れて、別の問題に取り組んでいる。
倫理は議論のための議論などと言われたりする。
括弧に入れたものをそのまま放置しているから当たり前じゃないか、と突っ込みを入れたくなる。
世の中のほとんどの問題はこの括弧の放置から始まるのではないのか?
自分はそう思うが「それはあなたの感想です」と言われるのがおちなので、そう言わせないような、アクチャルな考察をいずれ展開してみたい。
(『分析哲学 これからとこれまで』『始まりの木』の感想は割愛 )
公開日2023/11/27