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読書日記1219

リュディガー・ザフランスキー『ロマン主義:あるドイツ的な事件<新装版>』法政大学出版局 (2023)

■一般財団法人 法政大学出版局

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その他数冊

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日記

マーティン・イーデンの熱量が凄い。

階級が違う上流の女性に僻むことなく、むしろこの女性を落としてみせるというプラスの方向に向かっていった。

自分も精神的な若さ、エネルギーはいつまでも持っていたい。

・・・

『ロマン主義』

ロマン主義はヘルダーで始まり、ホフマンで終わりと書かれていた。

ゲーテはヘルダーの5つ年下ということであった。また、この二人は交流もあり、あのゲーテですらヘルダーには頭が上がらなかったという描写は、ヘルダーの深い精神性を予感させた。また、そんなヘルダーはカント『純粋理性批判』に対して批判を浴びせていた。カントが機械的な人間に見えたのかもしれないと今日の自分は思った。

“『純粋理性批判』はヘルダーにとって「空虚な美辞麗句」であり、不毛な逡巡の表現に思えた。一世代後のヘーゲルと同じく、ヘルダーはカントに対して、誤謬への恐れそのものが誤謬かもしれないと非難した。” P11 (『ロマン主義』)

・・・

『ヴェトナム (上) 』

フランス側と共産側が対立しているなか、現地人のあまりに過酷な生活が読み取れた。

二つの勢力による支配は最悪で、まだ一党独裁のほうが幾分かはマシだとすら思われるような場面もあった。

全体の不安定な状態が部分にも表れる例だと感じた。

また、「一致団結」の力の源である思想の力を感じた。

フランス軍がことごとくヴェトミンにやられていく姿は、なにか目に見えない力の作用だと自分には思われた。

近代合理主義に行き詰まりがあるとすれば、その原因は思想の面が大きいのかもしれない。

執行草舟氏の主張に則せば、神なき現代社会には規範や負い目がないので、合理的、理性的だけでは社会が機能しなくなる。宮台氏も似たようなことを書いている。小室直樹も然り。そういうものを感じさせられる読書時間であった。

つづく

公開日2023/12/6

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