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その他数冊
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日記
『感情教育 上』
メモ
”貧乏に耐えることが才能を百倍にも伸ばしてくれるかもしれない。屋根裏部屋で刻苦勉励した偉人たちを思って、気持を奮いおこした。” P222 (『感情教育 上』)
何かを書くこと、小説を書くこと、ささやかなパフォーマンス
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『こころの読書教室』
日本の臨床心理士の祖、河合隼雄がユングを語った。
河合隼雄によれば、フロイトとユングは意気投合した時期もあったが、のちに両者はそれぞれの道をいくことになる。そのときにユングは幻覚や幻聴を経験した。DSM-5の現代、それは統合失調症と診断される可能性が高い。
ユングはこころが落ち着いたときに絵を描いた。統合失調症の患者さんが治ってきたときに絵を書いてもらったところ、ユングと似たような絵だったという。
そのときに書かれる円形、十字というものがどうやら東洋の曼荼羅(まんだら)と関係がありそうだとユングがさとる。西洋と東洋に共通するものを見つけ、ユングは論文にした。
当然、そういうものは非科学的と見る西欧は、ユングを相手にはしなかったが、ユングの死後、ヴェトナム戦争でこころを病んだ兵士が麻薬に手を出し、そのときに兵士が感じたことを既にユングが書いていたと判明。物質上では明らかにアメリカのほうがヴェトナムよりも上回っていたが、苦戦が続く。この謎を解くヒントとしてユングの本が読まれるきっかけとなったようである。
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数値化、客観性に重きを置く実証主義は精神医学とは相性が悪いかもしれない、そういうことは20代に認知行動療法を受けたときになんとなく感じた。
効果がないという意味ではなく、効果はあった。
それはニューロンの移動から意識が生まれるという飛躍と似ていた。
認知の仕方を変えると明らかにストレスが軽減されることは分かった。
認知行動療法は、厳密には治療ではなく「ストレスの大幅な軽減」だと思われた。
あくまで治すのは自分を超えた「なにものか」だと自分は感じた。(自然治癒力と呼ばれたりする)
精神と肉体が完全に分離しているというデカルトの二元論は、そういう意味では正しくないのかもしれない。
ただ、精神と肉体が密接に繋がっているからといって、一元論とみなすのもナンセンスである。
なぜなら、精神的にきついとき、なおそこには「きついな」と客観的に見る「私」がいるからである。
つまり、「私ー精神ー肉体」の3次元である。「なにものか」を加えれば4つになる。
河合隼雄は、大江健三郎『人生の親戚』を紹介したうえで、悲しみを乗り越えて初めて人は自己実現できると語る。
思えば、統合失調症と創造力には相関性があった。詩人のヘルダーリンや晩年のクルト・ゲーデルなどがすぐに思い浮かぶ。
だからといって、統合失調症になることが良いことだとは言えないが、意識と無意識というものは2020年代の今もなお、不思議な関係を持っているように感じた。
公開日2024/1/6