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その他数冊
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日記
今週からは古典を読んでいくことにした。
まず初めに選んだのが『大衆の反逆』。
ずっと読んでいない自分に苛立ちを覚えた。
また、この本を要約して説明している本は膨大にあるが、「大衆とは自らの能力の向上に努めることもなくただ権利だけを主張する人たち」だの、「ヘンリー・ミラーは言った。歴史上、大衆を変えた人はいない」だの、情報量が少ない。もう信用できるのは自分しかいない。自分で読んで、自分でこの本のことを彼らの要約以上のレベルでまとめてやろうじゃないかと思うに至る。
眠気が強い仕事のあと、とりあえず40ページくらいは読んだ。
・・・
『大衆の反逆』
メモ(ときどき突っ込みも入れる)
“ものごとに驚き、不審を抱くことが理解への第一歩である。それは知的な人間に特有なスポーツであり、贅沢である。” P13
”大衆とは、特別の資質をもっていない人の総体である。” P15
“大衆とは「平均人」のことである。” P15
「質を通して、量の起源を知る」
“近年の政治的変革は大衆の政治権力化以外の何ものでもないと考えている。” P20
⇒それはどうなのか?本当にそうだろうか?
“今や、大衆が法を持つことなく直接的に行動し、物理的な圧力を手段として自己への希望と好みを社会に強制しているのである。” P20
⇒リベラルのことか?
(大衆は)”政治の運営を専門家にまかせきっているのだというふうに解釈するのはまちがいである。事実はまったくその逆である。そうであったのは以前のことであり、自由主義的デモクラシーのことである。” P20
⇒そうは思えない。スペインの事情を日本にそのまま当てはめるのはやめておこうと思うに至る。
オルテガは序盤で、このことは表面的なスケッチにすぎないことを明言している。
本書は300ページ弱あるので、最後まで読まないと真意は掴めないと思うに至る。
つづく
・・・
『政治と宗教 この国を動かしているものは何か』
宗教史ばかりを読むのは少々疲れる。
なんだかんだ二週間程度はひらすら宗教史を学んだので、たまには時事系の本も読もうと思うに至る。
前川氏は事務次官、島田氏は宗教学者の立場から対談が進む。
事務次官と学者という、バランスの取れた人選だと思いこの本には期待をしてみた。
序盤は宗教法の歴史や政教分離などが語られた。
仲正氏の本では、正教分離は国家神道政策が発端と書かれていた。
(読書日記1296に収録)
本書では国家神道について島田氏が詳しく語っていたが、ひとまずそこは重要ではないと判断したので割愛。
とりあえず、正教分離は政府が公的に特定の宗教を支援することを禁じているという理解にとどめた。
オウムのサリン事件について触れながら「解散命令」の構造について前川氏が語った。
“宗教法人法は信教の自由を保障するための制度なので、宗教法人を作るのは簡単ですが、解散させるのは難しいのです。(・・・)しかも、認証した都道府県知事や文部大臣は、解散命令を出すことができません。解散命令を出すことができるのは裁判所だけです。所轄庁や検察庁、利害関係人が裁判所に対して解散命令を請求し、請求を受けた裁判所が審理を行って、解散する理由があると判断したら解散命令を出すことができるのです。” P27-28
次に「情報公開法」について語られた。
これは、行政文書は原則「公開」しなければならないとするものである
結果的に宗教法人が行政に提出する書類は不開示情報となったが、これには信教の自由の観点を考慮したためだという。
次に話は創価学会と公明党に移った。
言論出版妨害事件という事件が昔あった。
共産党が「創価学会を斬る」といった本を出版しようとしたところ、創価、公明党の人間が妨害したとされるものである。
のちに第三代会長、池田大作は反省の意を述べたとされる。
創価学会の目的は「日蓮正宗」の国教化だとされていた。
言論出版妨害事件のあと、池田大作はこの国教化はもうしないと宣言したと書かれていた。
今は知らないが、共産党と公明党は仲が悪かったのだなという印象を抱いた。
・・・
ここまで、単なる「お勉強」にとどまってしまった。
読書時間は限りなく有限で、一日にできることはわずかであると痛感。
改めて、日本において宗教の意義を考えてみたが、答えは各々の信念に委ねられるとしか言えない。
宗教が有害などと微塵も思わないし、だからといって宗教によって日本を立ち直そうという発想にもどこか理論的欠陥を感じざるを得ない。
小室直樹が何度も書いているように、現代の日本人は民主主義も機能しずらい。
さあどうする。
宮台真司教授の言うようにただ崩壊するのを待つのか。
「何もしない」は正しいか。
答えは見つからない。
自分の内なる声にしたがって生きる。
それしか見えない。
だから自分は本を読みつづける。今日はそう思うに至る。
つづく
公開日2024/2/27