埴谷雄高『死霊』講談社学芸文庫(2003年)を読む。
精神分析家が好みそうな、心理小説と呼ばれるもので、著者は「妄想実験」と呼んでいる。
僕もその妄想に付き合ってみたい。
僕は、この小説が至る本で登場していることから、前々から気になっていた。
池田晶子氏との獄中対話、そして『戦後文学を読む』にも言及されていた。
本から本への連鎖に僕は身を任せてみたい。
つづく
公開日2022-02-11
補足:この小説のテーマのひとつでもある「自同律の不快」という埴谷雄高の言葉は有名である。
池田晶子はエッセイのなかで何回か書いていたが、自分の中に起こる矛盾(肉体における欲と、それを嫌悪する理性のようなものだと思われる。しかしそう単純でもなく、やはりこの小説を読まなければその領域にはいけないように思う。