つづきを読み進めた。
池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞出版
カント『純粋理性批判』『判断力批判』『実践理性批判』(岩波文庫)を読む。
カントは絶対に理解できないと怯えながら導入部分を読む。
ところが、いきなり難しい言葉で攻めてくるような本ではなかった。
純粋理性は認識に関することだけに絞って論じている。
判断力批判は美に関する考察、実践理性判断は道徳に関する考察、と分かる。
自分が理解できる領域まで読み進めていきたい。
池田氏の本は、自分の知に対する傲慢さを取り除くために読んでいる。
もう一度無知の知をしっかり学ぶ。
何かを知っているつもりであることと、何かを知っていることの間には断絶がある。
例えば、悪口を言う人は悪口が悪いことであることを知らない人であると池田氏は言う。
悪いと分かって悪いことをする人はいないという論理である。
「悪いと分かっていてもやってしまう」というのは、つまりは本当は悪いことを知っているのではなく、それが「悪いことであると知っているつもり」であるということになる。
だから悪いことやってしまうのだということに僕は気づいた。
つづく
公開日2022-02-14
補足:ソクラテスの「無知の知」はあまりに有名だが、ソクラテス自身は「自分は無知ではない」と思っていたとされる。(諸説あり)