中島義道『人生を<半分>降りる 哲学的生き方のすすめ』ちくま学芸文庫(2008年)を読む。
池田氏と違い、この方はアカデミックの世界にいる。
この本の内容としては、タイトルとはやや離れている印象である。
文章を書くことの意味について書かれていたり、今日のアカデミック界、出版業界の不毛な点についていろいろと書かれている。
世の中には無数に本が存在しているが、やはり「商売」としての産物であるがゆえに、そこには「権威」があり「見栄」がある。
この点について、ポール・ヴァレリーという詩人がギリギリまで語ったと中島氏は述べている。
調べてみると、岩波文庫からいろいろとヴァレリー氏の本が出ているみたいである。
僕は単純に興味を持った。
「悪書」についていろいろと教えてくれるかもしれない。
僕はなんだかんだで、世の中の本のほとんどは「悪書」だと今は考えている。
つづく
公開日2022-02-16
補足:柄谷行人『柄谷行人書評集』のなかに、法政大学出版局から出ている『ポール・ヴァレリー 1871-1945』についての書評があった。(88項)
ヴァレリーは反ユダヤ主義的思想を持っていた可能性がある。ヴァレリーを無批判に肩入れするのではなく、自分で文献にあたることの大切さを認識した。