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新・読書日記168(読書日記1508)

       ジョルジュ・バタイユ『魔法使いの弟子』景文館書店(2015)

■景文館書店

公式HP:https://keibunkan.jimdofree.com/

公式X:https://x.com/keibunkanshoten?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

    神谷美恵子『生きがいについて (神谷美恵子コレクション)』みすず書房(2004)

■株式会社 みすず書房

公式HP:https://www.msz.co.jp/info/about/#c14087

公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/misuzu_shobo?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

   フィリップ・ソレルス『例外の理論』せりか書房(1991)

■株式会社せりか書房

公式HP:https://www.serica.co.jp

公式X(旧 Twitter ):不明

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日記

『魔法使いの弟子』

メモ

“絵画の幻想のイメージのなかではすべてが虚偽なっているのだ。文学の世界も同じで、もはやためらいも恥じらいもない嘘で、すべてが虚偽になっているのだ。こうして生の二つの本質的要素、つまり普遍的な真実と人間にとっての意味とが、厳密に分離させられていく。学問が追求する真実は人間にとっての意味を失ってはじめて真実になるし、何ごともフィクションである条件ではじめて人間にとって意味を持つようになるのである。” p10

  

この文章は逆説について触れているように自分には思えた。

バタイユは学問において相当に優秀な人物だったという、伝記のような本を読んだ記憶がある。

学問に対する批判めいた文章だが、さらっとしか読めていないのでわかりかねる。

しかし学問は今日、啓蒙という文脈のなかでは限りなく矛盾した存在となっているように思えなくもない。

学問論は文学論以上に難しいのでまた時間があれば考えてみたい。

バタイユの魂に触れることで、なにかしら感性が反応し、自分の精神が高揚とするものを感じる。

難解めいているが、ときどきメモしたくなるような文章が繰り出される。ここが魅力的なのであった。

  

・・・

『例外の理論』

メモ

“ダンテ、ブルーノ、ヴィーコ、ジョイス。彼らはリニアな意味にたいして挑発を投げかけ、正方形の円を作図しろというのとおなじような、解決不能な問題を提起しているのだ。” p129

  

“あるひとがプラトンにこう言った。「みんながあなたの悪口を言ってますよ」。するとプラトンはこう答えた。「言わせておきなさい。わたしのほうでむこうが言葉をひるがえすような生き方をすればいいのだから」。” p19

  

モンテーニュ「わたしはときどき矛盾したことを言うらしい。だが、真実に反することはけっして言わない」

絶対に矛盾しないことは真実にはなり得ないという逆説をモンテーニュは理解していたと自分はみる。

   

モンテーニュ「自分の存在から正しい快楽を引き出すすべを知るというのは、絶対の徳であり、そうすれば神の域に近づくことができるのだ」

  

・・・

  

『生きがいについて (神谷美恵子コレクション)』や他の本を数冊読みながら、この一週間の出来事についていろいろと頭を働かせざるをえなかった。

心理学や人文科学、哲学をどれだけ吸収しても人間関係というものは簡単にはいかない。

むしろ、うまくいくと考えた自分が明らかに愚だった。

コントロールできるのは自分だけであり、他人をコントロールすることは不可能であるという当たり前の考えにたどりつく。

   

自分が変われば他人も変わる、みたいなタイトルのような本が巷に沢山あるが、なぜ自分を変えなければならないのか、変えるとしたらどのような条件でならするべきか?と考えると、馬鹿げたことを考えている気がしてならなくなり、すぐに思考がストップした。

  

〇〇さんならどうするか、〇〇ならどうするか。

本に書いてあったことをあぶりだし、意見をぶつかり合いさせる。

そういうことをひたすら行った。

本は心の友であり、心のメンテナンスをするサポーターだ。

今はそれなりに自分の言葉で言い返せるようになってきたように思う。

現場は即興でなければならない。

これも毎日日記をかいてきたおかげだと思うに至る。

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