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マイケル・サンデル『それをお金で買いますか 市場主義の限界』ハヤカワ文庫(2014)
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つづきをよみすすめた。(新・読書日記182に収録)
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日記
『ヴァレリー集成Ⅲ <詩学>の探究』
メモ
“哲学者たちの書物という抽象的機構のもとに、われわれは外部からの刺激に対する感性の応答を見出さないでしょうか?諸体系の構築そのもののうちにさえ、われわれが芸術作品の分析で指摘した特徴を想起させる特徴を見出さないでしょうか?私は今にいたるまで、形而上学をただの芸術と見なすことしかできないでいます。それに、このような見方をしなければ、われわれは過去のあらゆる偉大な哲学を、価値のないものとして放棄せざるをえません、それらはとりわけ科学の進歩によって破壊されているのですから。この、芸術作品としての特徴は、哲学を多くの危険から救出するのです。” P71
“(・・・)ベルクソン氏が私にこう言ったのです。「哲学者たちは紋切り型に満ちています」。私は答えました。まさしくそのために、私はいつも彼らに芸術家たる条件を与えようとしてきたのです。” P75
・・・
『『失われた時を求めて』名文選』
“人は自分に似る者を毛嫌いする
われわれが毛嫌いするのは、こちらとは正反対の人間ではなく、こちらに似てはいるが劣っている人間、こちらの悪い面を露呈し、こちらが矯正した欠点をあらわにして、現在のわれわれが過去において人にどう思われていたかという不愉快なことを想い出させる人間なのである。” P55
・・・
『それをお金で買いますか 市場主義の限界』
100ページ手前まで読みすすんだ。今日はインセンティブの話であった。
いろいろな心理学書にも書いてあるが、人間は少しのためのお金くらいではそこまで効果がない。
掃除を自発的にする場合と、10ドルを対価でもらう場合、どちらが満足感が高いのかというと、意外と前者だったりする。
この単純な心理効果は、実は深い人間学としての考察対象になり得るものである。
この単純な例が示唆しているもの、それは、自発性という「純粋な想い」をお金と天秤にかけることによってその価値が貶められるということである。
「それはお金をもらってまでするものではない」
こういう事例を多くの人間が持っている。
そして、そこに市場の原理が侵入してくることによって人間の規範が貶められる。
100ページまでに語られたことがようやく腑に落ちはじめた。
つづく