玄田有史『希望のつくり方』岩波新書(2010年)を読む。
正直なところ、あまり読んでいて気持ちの良いものではなかった。
著書は「希望学」の研究をしてきたとのことであるが、研究から得られた量的なデータが全くない。
加えて本書の内容はほとんど僕が今まで学んできたことばかりという印象である。
きわめつけは、高みから見下ろされている感がするところである。
安全地帯(つまりは大学教授という地位)から書かれたナラティブには気迫がない。
そして希薄。
これを読むといっそう希望が見えなくなる思いである。
ただ、僕の考え方は著書とあまり変わらない。だからこそ余計にやるせなさを感じる。
人生が決定論のように決まりきっていてはつまらない。
かといって先に行きが不明であっても不安。
希望は人間が作り出した虚構ではないだろうか。
希望について考える時間があれば僕はポジティブ心理学を勉強したほうが有意義だと思うし、今日これから読むつもりである。
つづく
公開日2022-03-08