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高杉良『転職』読了

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感想

本日はインプットやらネタが豊富なので新・読書日記405と読了のほうを分けることにした。

読了のほうでは転職を読んで思ったことをさくっと書いておきたい。

   

・最も印象に残った言葉

“<P&Gでは”コンシューマー・イズ・ボス”の考え方を軸に、消費者が求めていることは何かという観点からマーケティングが始まる。しかしながら、アパレルブランドの場合は、自分たちがどういう商品を顧客に届けたいかという感性が出発点なのだ>” P249

解説にも引用されている。端的にこの本は実用書とエンタメ性が見事に融合された本だと感じた。

自分は管理部門の仕事をしているので実際に仕事に役立つことはないだろうが、上の人たちがどのような仕事を行っているのか、少しだけ想像することができたような気がした。

   

感想としては、エンタメ性は抜群。のめり込める。久しぶりに没入感のある読書時間を過ごせた。いろいろと本がたまっていたが、この本を読み通さずに次には手が出せない、そう思わせる内容だった。

物語は、社長になりたい小野という人物が、ひたすら仕事に明け暮れ、のちに社長にまで上り詰めるが、外資系なのであくまで日本支社の社長止まりということで、結局はアジアの支社と統合する際に事業本部長に落ちてしまい、それが嫌だからもっかい転職、という展開のループだった。エンタメなので主人公の考え、価値観、思想等が深堀りされることがなかったので、小野という人物については解釈の幅が広くなる。個人的には、社長から降ろされ、やりがいが無くなった瞬間に萎えてしまう小野という人物には、どこか支配欲、独占欲のような、なにか異質なものを感じた。そこまで社長にこだわる理由が見出せない。見出せないから今の解釈になる。お客ファーストとはいえ、それはあくまで自分がやりがいが持てるという前提条件付き。これでは少し浅い人間に見えてしまう。とはいえ、実力は天才的なので、就活生、新卒のような若い世代はとにかく高杉良を読め、といったところだろう。

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