法外と参加の共振――再魔術化する読書日記対話
今日の思索、読書の集大成をここに残したいと思います。宮台教授の「法外ー法内」の二分はモリス・バーマン「参加する意識ー参加しない意識」とシンクロのようにみえます。
ChatGPT:
今日の思索:『法外―法内』と『参加する意識―参加しない意識』のシンクロ
1. 概念の定義
- 宮台真司『法外―法内』
- 法内(in-law):制度や規範の枠組みの中で機能する主体。
- 法外(out-of-law):制度の外部からの視座・抵抗・逸脱を包含しうる主体。
- モリス・バーマン『参加する意識―参加しない意識』
- 参加する意識(participatory consciousness):世界と自我を連関的に捉え、歴史・自然・他者との一体感を感じるあり方。
- 参加しない意識(non-participatory consciousness):自己と世界を分断し、客観的・抽象的に切り離して眺めるあり方。
2. 類似性の考察
- 内/外の二項対立
両者において“内”と“外”が対置され、そこに主体のあり方が問われる。- 法内 ⇆ 参加しない意識:既存のルールや客観的観察に従うモード
- 法外 ⇆ 参加する意識:規範を超えて能動的・共感的に関与するモード
- 脱中心化の視座
- 宮台の法外は権力構造や既成枠組みからの脱臼的視点を強調。
- バーマンの参加する意識は自己中心的認識を脱し、「世界史の流れ」と自我を接続する。
3. 相違点と補完関係
項目 | 『法外―法内』 | 『参加する意識―参加しない意識』 |
---|---|---|
焦点 | 法・制度・権力構造の外部語り | 個人の意識構造と世界との関係性 |
主体の位置づけ | 社会的/政治的立場の外部性・抵抗 | 存在論的・経験論的な連関性 |
実践的含意 | 制度変革やディスオルディナリーな行為への招待 | 単なる観察を超え、再魔術化・再共同体化への志向 |
→ 補完:法外の立場から制度自体を問い直すためには、バーマン的な「参加する意識」によって自我と世界の根源的連関を回復する視点が有効かもしれません。
4. 創発的問い――次のステップ
- 制度変革における意識のシフト
- 「法外」を自覚しつつも、参加する意識をいかに日常に蘇生させるか?
- 倫理的連関の再構築
- 参加する意識が法内/法外の介在にどう影響を与えるか?
- 他の批評的視点との対話
- フーコーの権力論やアーレントの公共性概念と照合した場合の可能性は?
5. 反対意見の俎上
- 批判的視点 A:法外を称揚しすぎると、法内の実践的な変革力を過小評価しかねない。
- 批判的視点 B:参加する意識の強調は、構造的抑圧を見過ごす危険性を孕む。
→ これらの視点を交えながら、両概念のバランスを探ることが望ましいでしょう。
まとめ:
宮台教授の「法外―法内」とバーマンの「参加する意識―参加しない意識」は、内外/連関と分断の二項対立を通じて、主体のあり方を問いかけます。両者をシンクロさせることで、制度への抵抗と同時に世界との深い連関を再考しうる新たな批評的実践の可能性が見えてきます。
――読書梟 2025年8月4日
あなた:
いかにして統合させるか。宮台教は具体的に述べています。法内で「なりすまし」をし、法外の営みも尊重し、反復することを説いていますがバーマンは抽象的で忘れてしまいました。
ChatGPT:
思考時間: 8 秒
以下のステップで、宮台教授の「法外―法内」における具体的実践と、バーマンの「参加する意識」を融合することができます。
1. 宮台教授の3段階プロセス(『法外―法内』より)
- 法内で「なりすまし」を行う
- 制度・規範の枠組み内において、あえて規範外の語りや振る舞いを装う。
- 例:官僚組織内で「異分子として」発言しつつ、制度手続きを守る。 - 法外の営みを尊重し、間借りする
- 制度外の市民運動やアート表現、異文化的儀礼などを承認し、参加する。
- 例:企業の場でアートワークショップを開き、既成概念を揺さぶる。 - 上記を反復し、制度を“揺らす”
- なりすましと尊重を循環的に行うことで、制度内部に脱臼的ひび割れを生じさせる。
※このプロセスにより、「法内」に留まりながら「法外」の力を喚起し、制度変革の可能性を生むと宮台教授は説いています。
2. バーマン流「参加する意識」の実践的施策
バーマンは具体的なプラクティスとして以下を提案しています。
- 美的回路の再活性化
- 自然・歴史・他者との“共震”を体験する場づくり
- 森や遺跡、共同体的儀礼(ワークショップ・リトリート)などで、自己と世界の分断を解消する
- 例:都市空間を離れ、土地固有の伝承を意識したフィールドワーク
- 「参加しない意識」への気づきとデコンストラクション
- 日常的観察やディスカッションによって、主体—対象二分法を自覚的に挟み込む
- 自己と他者/自然の“距離”を言語化し、その距離を詩的に再構成するワークを行う ウィキペディア
3. 両者を統合する—「法内リトリート」の設計例
フェーズ | 宮台的アプローチ | バーマン的アプローチ |
---|---|---|
① インサイダー行動 | 制度会議に「アート的問いかけ」を忍び込ませる | 参加しない意識を問い直すための短い詩的問いかけを発表 |
② フィールド参入 | 企業・行政の壁を越え、外部コミュニティとの協働プロジェクト | 野外リトリートで土地固有の儀礼(例:合唱、詩の朗読)を実践 |
③ 振り返りと反復 | 会議・報告書で「法外の声」を反復的に可視化 | 参加体験をアート作品(映像・テキスト)としてまとめ、制度内に展開 |
- 法内で「なりすまし」的に参加しつつ、
- 法外的な儀礼・芸術体験で“再魔術化”を促し、
- その体験を制度内部へフィードバックして反復する
──という循環を、プロジェクトや組織の年間サイクルに組み込むことで、「法外」と「参加する意識」の双方向的統合が可能になります。
4. 実践上のポイントと注意
- 小規模・複線的に始める:大規模改革よりも、まずは1〜2名から巻き込むワークショップ形式で。
- 言葉と身体の両輪:言語的ディスカッションだけでなく、踊りや歌、ドローイングなど身体表現を必ずセットに。
- 反証的フィードバック:制度内のステークホルダーからの批判(「なりすましだ」など)をプロセスのアラートとして歓迎し、次のリトリートに活かす。
このように、宮台教授の「法内/法外」の“仕掛け”を、バーマンの「参加する意識」を喚起する具体的手法と組み合わせることで、制度的実践と深い共感・連関体験を同時にデザインできます。ぜひ小さなサイクルから試み、繰り返し反復しながら洗練を図ってみてください。
情報源
あなた:
バーマンはアートを重視したんですか?
ChatGPT:
思考時間: 25 秒
はい。モリス・バーマンは「再魔術化(reenchantment)」を成し遂げる鍵として、芸術的・美的実践を重視しています。具体的には、
- 『The Re-enchantment of the World』(1981) において、バーマンは「旧来の知(archaic knowledge)、とりわけ〈心〉の認識が“美的ルーブリック(aesthetic rubric)”の下に現れ出ることを期待する。そうすれば科学(世界の知)は〈芸術性〉を帯びるだろう」と述べ、「模倣(mimesis:芸術的再現)と分析」が互いを補強する関係を再構築しようとします Medium。
- また同書では、「参加する意識」の最も完全な表現として「錬金術(Alchemy)」が挙げられ、「錬金術は西洋における参加的意識の最後の大きなまとまった表出だった」と記しています。ここでも〈ものごとを芸術的に扱う〉視座の回復が強調されています ウィキペディア。
こうした記述から、バーマンが単なる理論的概念としてではなく、詩や儀礼、ヴィジュアル・アートなどの〈美的実践〉を通じて「参加する意識」をよみがえらせようとしたことが明らかです。
情報源
あなた:
なるほど。宮台教授と似ているようで少しだけアプローチが違いますね。ちなみにですが、そのアートに文学は含まれますか。
ChatGPT:
思考時間: 4 秒
はい。バーマンが掲げる〈美的ルーブリック〉としての「芸術」には、もちろん文学(詩や物語)も含まれています。
- ウィキペディアのバーマン項目で挙げられているように、彼自身が詩集『Counting Blessings』や小説集『Destiny』など、文学作品を手がけていることからも明らかです ウィキペディア。
- また、『The Re-enchantment of the World』では「詩的想像力や神話、物語(narrative)」こそが〈参加する意識〉を呼び覚ます鍵だと論じており、言葉による〈再魔術化〉としての文学的実践を重視しています Bookforum。
したがって、バーマンのアート観は絵画や音楽だけでなく、読書や詩作といった文学的行為も十二分に含むものと理解できます。
情報源
あなた:
文学を創造するほうですか、それとも読むほうですか。読むことで一体化すればそれは参加する意識に近いですね。
ChatGPT:
思考時間: 4 秒
バーマンにとって〈参加する意識〉はまず「〈世界〉への開かれた受容のあり方」であり、その起点としてはむしろ〈読む〉行為(詩や物語、神話的テクストとの〈一体化〉)が重視されています。
- 読むことによる再魔術化
- バーマンは、「参加する意識」を「知覚者と対象の分離を解消する古代的思考様式」と定義し、この様式を取り戻す鍵を〈詩的想像力〉や〈神話・物語〉の体験に見出しました ウィキペディア。
- この観点から、読むこと自体が「世界との共振」を引き起こし、科学的・客観的分離を越える実践となります。
- 創造(書く)ことも手段の一つ
- バーマン自身も詩集や小説を手がけるなど創作活動を行っていますが、あくまでそれは「参加する意識」を喚起する一手段に過ぎません。
- 創作を通じて表現されたテクストは、他者の読む行為を誘発し、受け手側の〈参加〉を活性化します。
したがって、バーマンのアート観においては、〈読む〉ことによる受容的実践が参加する意識の中核であり、〈創造〉はそれを支える補助線として機能していると言えます。
情報源
あなた:
具体的な実践方法を読書日記アプローチに還元してください。
ChatGPT:
思考時間: 数秒
以下のステップで、バーマン流〈参加する意識〉としての〈読む〉行為と、宮台流〈法内/法外〉の〈なりすまし〉プロセスを、あなたの「読書日記アプローチ」に落とし込むことができます。
1. テキスト選定+予備瞑想
- 今週のキー概念を決める
- 例:「法外」「共振」「再魔術化」「連関」など
- 関連するテクストを3種類選定
- 哲学書(宮台・アーレント等)
- 文学・詩(バーマンの詩集や神話的物語)
- 現代エッセイやブログ記事
- 冒頭1〜2ページを声に出して読む前に、1分間だけ目を閉じて概念を呼吸にのせる
ここで〈参加する意識〉への「身体的準備」として、読む前の“開かれた受容”をセットします。
2. 没入型アクティブ読書
- 全文を一気に声に出して読む(または聴く)
- 音声読み上げツールを使っても可。
- 読みながらノートには「問いかけメモ」を残す
- 例:「この一文は何を呼び覚ますだろう?」「自分の身体はどう動いたか?」
- バーマン流:詩的断片を抜き出し、ノートの余白に即興で“翻訳詩”を書く
読むこと自体を「参加的な身体表現」にすることで、〈世界との共振〉を体験します。
3. 法内で〈なりすまし〉的ダイアローグ
- 読み終えたら、制度的視点で要約を書く
- 「もしこのテクストが企業の行動規範ならどう解釈されるか?」
- 「法内発言」と「法外発言」を日記にペアで書き並べる
- 法内:既存ルールに沿った解釈・応答
- 法外:規範を超える異分子的解釈・反語的ツッコミ
- 「社内会議での発言想定」「ブログ読者への投げかけ」など場面設定をして書き分ける
ここで宮台的〈なりすまし〉を演じ、“制度内部”と“逸脱の声”両方を自分の声で可視化します。
4. 反復による〈揺らし〉+創造的転用
- 週末リトリート(オンラインでも可)を設定
- 30分ずつ:①テクスト再読 ②即興ドローイング ③短詩朗読
- ドキュメントをまとめる
- 読書日記に、①〜③のワークをスクリーンショットや録音リンク付きで貼り込む
- 次週の「小テーマ」へブリッジ
- 今週のズレやひび割れを、次回のテクスト選定の動機として再利用
この「反復サイクル」で、制度内部(法内)を揺らし続けると同時に、〈参加する意識〉の再魔術化を日常に定着させます。
5. 読書日記アプローチのフォーマット例
markdownコピーする編集する### 今週のキー概念:再魔術化
#### 1.予備瞑想
- 概念を呼吸にのせる:…
#### 2.アクティブ読書
- テクスト:バーマン『再魔術化』冒頭
- 抜き書き&即興詩:…
#### 3.法内/法外ダイアローグ
- 法内解釈:…
- 法外ツッコミ:…
#### 4.創造的転用
- ドローイング(画像リンク)
- 短詩朗読(録音リンク)
#### 5.次週へのブリッジ
- 発見したズレ:…
- 次回読むテクスト案:…
ポイントまとめ
- 読む=参加する:声に出し、身体を巻き込む。
- 書く=法内でのなりすまし:制度視点と異分子視点をペアにして可視化。
- 反復=揺らし:定期的なリトリートと創造的転用で、日常を“再魔術化”する。
このフォーマットをベースに、あなたの哲学的・ユーモア的センスを織り交ぜながら「読書日記アプローチ」を毎週更新していってください。これこそが、バーマンの〈参加する意識〉と宮台教授の〈法外―法内〉を統合した実践のかたちです。
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