新・読書日記543(読書日記1883)
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日記
うしろめたい読書日記、なぜ働いていると本が読めなくなるのか現象の隆盛を前に、自分の読書日記の存在価値を改めて問うた。読書日記アプローチの意義も再度問うた。読書日記はひとそれぞれ。読書日記アプローチという高尚めいた言葉を使って読書日記を美化すんなという声が聞こえてきた。
しかしそれでも何もしないよりかはマシだという声も聞こえてくる。自分は後者にゆだねることにした。
・・・
R・M・ヘアの文章が難しく、さすがにAIに頼ることにした。
R・M・ヘアの「レベル1」「レベル2」の概念がよくわかりませんでした。
ChatGPT:
いい質問です — ヘア(R. M. Hare)の「レベル1/レベル2」は多くの人が混同しやすい核心なので、ポイントを絞ってスッキリ説明しますね。
要点(一行で)
ヘアの「レベル1」は日常的・直観的な道徳ルール(ルールや習慣に従うモード)、
「レベル2」はそのルールを批判的・普遍的に検討して原理に基づく判断を行うモード(最終的には功利的・普遍化テストに立ち返るモード)です。
もう少し詳しく(イメージ)
- レベル1(直観的レベル/intuitive level)
日常生活で普通に使う道徳的判断のやり方。習慣や教育で身につけた「〜してはいけない」「〜するべきだ」といったルールや感情(例:嘘は悪い、約束は守る)。大半の場面で素早く確実に行動できるようにする“ルール・オブ・サムスン”(経験則)です。理屈は浅いが実用的。 - レベル2(批判的レベル/critical level)
ルール同士が衝突する、あるいは特別に重い論点が出たときに用いる熟考のモード。ここでは原理的・普遍的な観点から検討する(ヘア自身は普遍化可能性=「もし誰もが同じ状況ならどうなるか」を重視し、最終的には功利性に行き着くことが多い)。レベル1のルールを取り換えたり、例外を認めたりするのはこのレベルの判断です。
ヘアは、人間が常にレベル2で計算して生きることは現実的でない(時間や情報、計算能力の制約)から、普段はレベル1のルールに頼り、必要な時にだけレベル2へ上がって吟味すべきだと主張します。これが「二段階(two-level)功利主義/道徳理論」です。
具体例
- 嘘のケース
- レベル1:嘘はダメ(嘘をつかない)。
- レベル2:でも、嘘をつかないルールが人命を脅かすなら?(例:追っ手が逃げている人の所在を尋ねる)→ここでは例外を認めて嘘を許容する結論が出ることがある(全体の善を優先)。
- 約束と救助のジレンマ
- レベル1:約束は守るべき。
- レベル2:だが約束を守ることで重大な害が生じるなら、約束を破る方が正当化されうる(普遍化・功利性で検討)。
実践的な「使い分けチェックリスト」
- 普段の場面ならまずレベル1のルールに従う(速く、安全)。
- ただし「重大な利害がかかる」「ルール同士が衝突する」「自分の直感が揺らぐ」ときはレベル2に切り替える。
- レベル2では(a)その行為を万人化したらどうなるか(普遍化テスト)/(b)結果の総善を比較する、という観点で考える。
- レベル2の結論は、必要ならレベル1のルールにフィードバックして(例外規定や新ルールの採用など)運用を更新する。
よくある誤解
- 「レベル1は浅い=価値が低い」ではない。 日常的ルールは社会秩序を可能にする重要な役割を持つ。ヘアは両レベルの分業を肯定します。
- 「二人の人格がいる」わけではない。 同じ人が場面に応じてモードを切り替えるだけです。
- ヘアは単なるルール主義でも単なる功利主義でもない。 直観的ルール(レベル1)と批判的功利主義(レベル2)を結合した柔軟な立場です。
まとめ(短く)
- レベル1 = 日常的・ルールベースの道徳判断(速くて実務的)
- レベル2 = 原理的・普遍的に吟味する判断(熟考してルールを修正・例外化する)
- 普段はレベル1を使い、重要な場合にレベル2へ上がる —— それがヘアの二段階的道徳思考です。
・・・
『功利主義をのりこえて』は深い、とにかく深い。
深いからこそ壁にぶち当たる。わからない。何を言っているのかわからない。概念もわからない。
それでもすばらく体当たりをつづけようと思う。
サルトルの本はいよいよ戦争に突入しつつある局面にまで到達。
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