池田晶子『考える日々』のつづきを読む。
分厚いのでいくら読んでも読みきれない。
まずボノボの実験に関する番組を観た池田氏の感想から入る。
ボノボが人間の意図を理解した。
ボノボと人間の会話が成立。
かくして天才ボノボ誕生。
しかしながら、ボノボの言語はボノボにしか分からず、人間の言語は人間にしか分からない。
世界の認識の仕方までお互い分かち合うことは不可能である。
人間の認識の方法は限定的であって有限。
池田氏はそんな人間中心主義に辟易する。
脳科学に関する本を読めば読むほど、実は分からないこと、未知な世界で溢れていることがわかる。
腸と脳の連携。腸脳相関。
腸と脳の相関すら解明できない人間に、いったい何が解明できるのだろう。
本を読めば読むほど賢くなるというのは全くの嘘で、本を読めば読むほど「知ったつもり」になる可能性もある。
そちらに傾くと軌道修正は難しい。
そして人は空虚な絵空事を語るようになる。
つづく
公開日2022-03-18