プラトン『国家 (上) 』岩波文庫の350ページまで読み進める。
ソクラテスは「最大国家」という概念を持ち出す。
それは、議論の基盤となった「最小国家」の想定からスタートさせ、漠然ではあるものの、理想的な人数や機能を備えた国家である。
戦争とはいうまでもなく富を増やす事、領土を増やす事を目的とする国家的な行為である。
ソクラテスは、領土を拡張させたところで「最大国家」のキャパシティを越えるならば、それは本末転倒であることを示す。
次に法律を考察する。
知を備えた人間であれば自ずと正しい行為を行う。
であれば、わざわざ法律で人間を縛り上げる道理はない。
要するに、理論上は法律は必要なく、教育によって正しい人間をつくりあげることで事足りる。
かくして、最大国家の性質を調べきった。
国家は指導者、補助者、商人から成る。
そしてマクロ的な像が見えた。
正義の性質は、国家単位では以上の性質を持つ。
次にこれをミクロ、つまり個人に当てはめて考えなければならない。
つづく
公開日2022-03-22