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読書日記218

ダニエル・サスキンド『AI時代の新「大きな政府論」』みすず書房 (2022年)

  

ダニエル・サスキンド『AI時代の新「大きな政府論」』のつづきを読み進める。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/04/21/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98216/

  

Aiが世界中の国々で「不均等」に普及していくプロセスが、イギリス産業革命の例をもとに説明される。

なぜ産業革命はイギリスで起きたのか。フランスではなく、なぜイギリスだったのか。

「人件費」で説明がつくとされる。

イギリスは当時人件費が高かったために機械化するインセンティブが高かった。

当たり前だが、最低賃金の低い国では機械を導入するコストが人の手で仕事をするコストよりも上回る。

そのため、自動化のインセンティブが少ない。

  

このことによって「機械⇒人間」へと逆行した事例もあったそうである。(車の自動洗浄)

中国は例外的に、国家単位でAIに対する投資を行ってきたため、仕事の自動化が進んだみたいである。

中国はあらゆる領域のAIにおいて常に研究をし続ける「フロントランナー」であるとのこと。

しかし、一人あたりのGDPが低い国ほどオートメーション化されるリスクは高いとのデータがある。

  

これは「タスク」「コスト」「文化や規制」がそれぞれ国ごとに異なるので、人件費だけでは説明しきれない要因があるためであるとされる。

以上、AIの侵食は避けられないものの、そのペースは世界中で異なり、ゆるやかに進む国もあればいっきに進む国もあることが分かった。

  

「将来AIに仕事を奪われる」

とはいえ、そんなに単純な話ではないことを理解した。

つづく

公開日2022-03-28

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