ラボ読書梟 (旧 はてなブログ大学文学部)

読書日記41

ウルリケ・ヘルマン『スミス・マルクス・ケインズ:よみがえる危機への処方箋』みすず書房 (2020)

つづきを読み進めた。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/04/03/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%9840/

新古典派の欠点が多く明らかになった。

・新古典派は貨幣の役割を理解していなかった。

・新古典派は、消費者が貯蓄せずに全て消費財に費やすという前提がなければ成り立たないような条件で想定をした。つまり、つねに工場はフルに稼働し、セイの法則が成り立つと想定していた。

・新古典派は労働市場と野菜市場を同じものとして想定していた。そのため失業率と利子の関係を説明できなかった。

ケインズは鋭い洞察力で、新古典派の理論は特権階級を支える役割を果たしていたとみた。

⇒政治に利用された経済学

また、今日でも通用する理論をいくつか発表する。

・不合理な経済

“人々が支払い能力を保ち続けるよりも長く、市場は不合理な動きを続けることができる。” P258

・赤字財政支出

⇒はじめて国債発行を発明

・経済の不確実性を示唆

“たとえ完璧なホモ・エコノミクスであろうとも、自分の資産をどのように最大化すべきかは知りえない。” P296

資本主義は金融市場によって支配され、グローバルなカジノへと変身する、、、

という部分まで読み進めた。

ここまでで感じたのは、ケインズが研ぎ澄まされた直感力や論理力を誇っていたという事実である。

過去の事実から帰納的に未来を予測する。そして高確率で。

人間は物事を確実には行えないが、100%へ限りなく近づけるために確率を最大化することはできる。

それが金融市場にも通用するのか。本はいよいよ終盤へ。

楽しみである。

つづく

公開日2022-01-17

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