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読書日記54

中山元『正義論の名著』ちくま新書 (2011)

つづきを読みすすめた。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/04/04/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%9852/

ここでプラトン (+ソクラテス) とアリストテレスの「正義」の違いがハッキリした。

プラトンは善と正義、悪と不正が「分離不可能」であるとみなしたのに対し、アリストテレスはそもそも同一のものとはみなさなかった。

アリストテレスは帰結主義的に、「行為の結果」に重きを置いた。

すなわち、不正かどうかは結果から判断される。

本書によれば、アリストテレスは正義を「正しいこと」とし、循環論法に陥り、正義の定義付けがなされていないとする。

では結果をどうみていくのか。

その基準は「均衡性」であるという。

秩序は均衡性が保たれている状態であり、アリストテレスの考える正義とは、「目には目を」の論理である。

損害を与えたものにはその損害と同等の罰、そして侵害行為の罰を与える。

かくして統制が可能となり秩序が保たれる。ここに正義というものを見出す。

この考え方はベンサムの功利主義へと引き継がれていく。

しかしながら、適応の範囲が狭いという問題点があった。

[夫ー妻]の対立のように、小さな政治にまでは及ばない欠点がある。

のちのストア派がそれを克服し、正義の概念を拡張していく。

以上まで読み進めた。

つづく

公開日2022-01-23

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